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川栄李奈、初主演映画の公開に「うれしいよりも悔しい気持ちのほうが大きかった」

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川栄李奈、初主演映画の公開に「うれしいよりも悔しい気持ちのほうが大きかった」

AKB48を卒業後、女優として目覚ましい活躍を続ける川栄李奈が映画初主演を務めた『恋のしずく』(公開中)の公開記念舞台挨拶が21日、丸の内TOEIで開催され、川栄とメガホンをとった瀬木直貴監督が登壇。映画の舞台で日本三大酒処の一つとして知られる東広島市・西条の魅力などを語った2人は、今年2月に急逝し本作が遺作となった名優・大杉漣に想いを馳せた。

本作は、農大でワインソムリエを目指して勉強する“日本酒嫌い”の主人公・詩織が日本酒の酒蔵へ実習に行くことから幕を開けるヒューマンドラマ。厳格な蔵元・輝義や、折り合いの悪い蔵元の息子・完爾らとの出会いや日本酒造りを通して、栞はいままで経験したことのない喜びを見出すことに。そんな中、酒蔵に思わぬ転機が訪れる…。

今年だけで実写・アニメ含め6本の映画に出演した川栄は、初めての主演映画となる本作に「うれしいという気持ちよりも、悔しいという気持ちの方が大きく、不安も大きかった。でも公開を迎えて観てもらえることが本当に嬉しい」と心情を吐露し「主演をやったことで周りの方に助けられていると実感しました。感謝しています」と明かす。

そしてちょうど1年前に行われていた撮影について「地域の方々が本当に協力してくださって、毎日美味しいご飯をいただいたり、とても暖かかったです」と振り返ると、瀬木監督はキャスト陣が“トレーニング”と称して毎日飲み歩いていたことを明かす。それには川栄も「いろんな日本酒を飲む役作りです」とにこっと微笑み「味の違いを宮地(真緒)さんが語ってくれる会でした」と、現場が和気あいあいとした雰囲気だったことを感じさせた。

一方、瀬木監督と言えば『ラーメン侍』(11)や『カラアゲ☆USA』(14)など、物語の舞台となる地域に実際に住んで、その土地の息吹を感じながら映画制作をしていくことで知られている。本作の舞台となる西条の地域の魅力について「生活の営みと一体となった酒造の風景に惹かれました」と熱弁を振るった瀬木監督は「今年は西日本豪雨がありましたので、その被災地から元気を発信していくこの映画が、癒しになったり、前向きにさせてくれる部分があるのだと感じました」と、13日から先行公開された広島で感じた手応えに自信をのぞかせる。

さらに「打ち合わせの時はわかってるのかわかってないのか、よくわからない方でした」と川栄の人見知りぶりを明かした瀬木監督は「お芝居を始めると、声のトーンひとつや体の動きひとつが、想定とは違うアプローチをしてくるのですごく新鮮。いつまでも芝居を見ていたいと思わせてくれる素敵な女優さんです」と絶賛。「撮影が進むにつれて風格が漂いはじめていた。これからが楽しみ」とのベタ褒めに、川栄ははにかんだ表情を浮かべた。

最後に瀬木監督は「ここにもう1人いらっしゃる気がする。漣さんが」と、劇中で主人公が研修に訪れる酒蔵の厳格な蔵元・乃神輝義を演じた大杉漣について想いを馳せる。「この映画を多くの人に観ていただくことが、弔いになると思っています。1人でも多くの人に、大杉漣さんの演技を目に焼き付けていただきたいなと思っています」と観客に向けて呼びかけた。

取材・文/久保田 和馬

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