今泉力哉監督が明かす、最新作『愛がなんだ』とこれまでの作品との違いとは?
東京・六本木をメイン会場に開催中の第31回東京国際映画祭で28日、コンペティション部門に出品されている今泉力哉監督の最新作『愛がなんだ』のワールド・プレミア上映が行われ、今泉監督と岸井ゆきの、若葉竜也が上映前の舞台挨拶に登壇した。
本作は直木賞作家・角田光代の同名小説を映画化したラブストーリー。28歳のOL・テルコは、一目惚れをしたマモルに想いを寄せ、彼のためなら仕事も友達もそっちのけで生活のすべてを捧げていた。しかし、マモルにとってテルコはただの都合の良い女でしかなく完全に一方通行の恋。そんななか、ついに急接近した2人。ところがマモルはそれをきっかけに連絡を絶ってしまう。
昨年の特別招待作品として上映された『パンとバスと2度目のハツコイ』(17)に続いての同映画祭出品となった今泉監督。これまでオリジナル脚本の作品を数多く手掛けてきたなかで、本作は原作のある作品。「今までオリジナルで作ってきた“片思い”とか“想いの差”というものが原作にもあって、自分に映画化の話が来た理由がよくわかったので、楽しんで取り組むことができました」と振り返り、これまで手がけてきた作品との大きな違いを「恋愛の温度の高さ」であると明かした。
一方で、恋に一途すぎる主人公テルコを演じた岸井は今年で4年連続の東京国際映画祭参加。最初に原作を読んだ時のことについて「自己犠牲をしてまで好きな人のところに向かってしまうテルコが凄いなと感じて、これはどうしようと思いました」と振り返りながら「でも自分が演じると思いながら自分に重ねて読んだ時に、私にもこういう部分があるなと思った」と、自身の中にある“好きなものに向かっていく強さ”を軸にしながら役に挑んだことを力強く語った。
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記者会見では、今泉監督&岸井がこだわりの演出を振り返った
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