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赤裸々なインスタ日記が話題の俳優・大下ヒロトに、松本花奈監督が”時間”を問う

コラム

赤裸々なインスタ日記が話題の俳優・大下ヒロトに、松本花奈監督が”時間”を問う

「本当に過去の全ての人との出会い、出来事が、今の自分を作ってると思う」

松本「過去と未来。行くとしたらどっちに行きたいですか?」

大下「まず未来は嫌ですね。絶対。今僕は役者をやってるんですけど、仮にも未来に行けるとして行ってみて、めちゃくちゃ映画にもテレビにも出てる超人気俳優、みたいになってる自分を見たとします。それって凄く面白くないと思うんです。他にもこれからどんどん発明されてくものとか、人との出会いとか、奥さん…?とか(笑)。そういうのを楽しみに生きてるので未来に行って結末は知りたくないですね。まあ逆に、未来に行って全然役者として成功してない自分を見るのも嫌ですけどね。過去に行けるとしたら、何がしたいかな。けど、過去に行って何かを変えてしまうのが怖いですね。バックトゥザフューチャーみたいに(笑)。本当に過去の全ての人との出会い、出来事が、今の自分を作ってると思うので。僕、小学生2年生の頃に、ものすごく可愛い先輩とブランコの2人乗りをしたんですよ。あったかくて。柔らかくて。そういうなんでもないような出来事でも、心にはしっかり思い出が染み付いてるわけで、今の自分に関係してると思うんです」

大下ヒロトの青春日記【半分になった唐揚げ】より
大下ヒロトの青春日記【半分になった唐揚げ】より画像は大下ヒロト公式Instagram(@hiroto_mitsuyo)のスクリーンショット

「僕はこれくらいのなんて事のない日常が好きです」

松本「もし過去が戻ってくる瞬間があるとしたらいつが良いですか?」

大下「本当に最近なんですけど、友達の山際君と行った焼肉屋さんとかですね。焼肉なんて滅多に食べないから、2人で『こっからここまでください』とか言いながらたくさん注文したら結局全然お腹いっぱいになっちゃって。2人でもう限界だ。と話した時、ふと上京1年目の100円マックしか食べることができなかった時期を事を思い出しました。今僕らがここで残したら、上京1年目の僕らに顔向けできないと話し合い、3時間かけて食べました。その後は2人で、お腹押さえながら家まで帰ったんです。あれは楽しかったです。しっかり考えたら、もっと戻ってきて欲しい時間はあると思うのですが、僕はこれくらいのなんて事のない日常が好きです」

松本「大下さんにとって “時間” とはどのようなものですか?」

大下「30分くらい考えてたのですが、分かんないです。だけど、常に、限られてるものだと意識して生活してます。後、なんとなくですが、時間は希望と絶望の塊だと思います」

松本「無駄だと思う時間を、愛せるようになるにはどうしたら良いと思いますか?」

大下「無駄だと思う時間ってあんまり考えたことないです。例えばガールズバーに行ってしまったとしても、あの時間は、今後僕の中で役立ってくる。と思っちゃえば無駄にはならないと思うんです。まあそうやって正当化したいだけなのかもしれないけど(笑)。無駄だと思えるこの時間も、きっと後の自分にはどうやっても関わってくると思います。だって将来物凄く幸せと感じる時が来たとしたら、どんな過去でも僕はありがとうと言えると思うんです」

●大下ヒロトプロフィール

1998年生まれ、岐阜県出身。オフィス作所属の俳優。16年に上京し、翌17年、映画『あみこ』でデビュー。同作が第 68 回ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式出品、ぴあフィルム・フェスティバル(PFF)にて観客賞、下北沢映画祭グランプリを受賞するなど話題に。ほか、ドラマ『イノセント・デイズ』(WOWOW)、『平成物語』(CX)をはじめ、映画・TV・ミュージックビデオなどに出演。デビュー前よりInstagramで公表している「大下ヒロトの青春日記」が話題となり、フォロワーは1.7万人を超える。

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