絢爛豪華!『くるみ割り人形と秘密の王国』の世界観がわかる貴重なコンセプトアートを公開【後編】
チャイコフスキーのバレエの名曲を幻想的な世界観で映画化した『くるみ割り人形と秘密の王国』(11月30日公開)。同作で主人公の少女が迷い込む“秘密の国”の元となったコンセプトアートが公開された。後編では、物語のキーにもなるファンタジックな魅力に満ちた3枚を紹介したい!
実在する氷のホテルを参考に作られた“雪の国”
4枚目は、政治家と氷製造者と鉱夫たちの国である“雪の国”。デザイナーのガイ・ヘンドリックス・ディアスは、スウェーデンに実在する有名な氷でできたホテルや16世紀のドイツの村々を参考に、幾層から成る氷の建築を完成させた。主演のマッケンジー・フォイもこの精巧なセットには、「まるで新しい世界の中に入ったような気分になった」と語っており、彼女が演じるクララと同じように、マジカルな気分を味わうことができたのだそう。
飴、チョコ、ヌガーなどが建築素材になった“お菓子の国”
5枚目は、キーラ・ナイトレイ演じるシュガー・プラムが統治する“お菓子の国”。ディアスいわく、複数のインスピレーション元があり、中でも人気ボードゲーム「キャンディランド」から大きく着想を得ているという。実は、この国の建物などはキャンディのステンドグラスやチョコレートの屋根瓦、ヌガーの壁といった具合に本物のお菓子を用いて作られている。これらのお菓子は建築素材として作品の世界観とマッチしており、ディアスも「ヌガーを切ると、中のナッツやチェリーが見えるが、それらの様相は、石造建築のようにも見える」と満足げにコメントしている。
不気味な雰囲気がムンムンな映画のキーとなる“第4の国”
最後に紹介するのは、かつて“遊園地の国”と呼ばれ、マザー・ジンジャー(ヘレン・ミレン)が統治していたが、いまは人々に恐れられている“第4の国”。映画の創作チームが「気味が悪い」とだけ説明するようにミステリアスな雰囲気に満ちており、フォイは「気味悪い木々とか、そういうものがいっぱいで、とても大きくて、とても美しい」と、最も印象的なセットだったと明かしている。ロンドンのパインウッドスタジオで撮影していた別作品のメンバーからも、好奇の目を集めてしまったというこの風変わりでワイルドな場所は、ストーリーの多くが展開される舞台となり、作品の中で重大な鍵を握る国となっているよう。
幻想的な作品を支えるこれらの美術にも注目して『くるみ割り人形と秘密の王国』を鑑賞すれば、作品をより楽しめること間違いなしだ。
文/トライワークス