「Fate」はなぜ人気なのか?劇場版プロデューサーの言葉から読み解くシリーズの強さ

インタビュー

「Fate」はなぜ人気なのか?劇場版プロデューサーの言葉から読み解くシリーズの強さ

17年10月に公開された『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅰ.presage flower』(以下『第一章』)は、同じ週に公開となったハリウッド大作に対し半数以下の上映館数ながら、公開週末の動員ランキングで1位を獲得し、映画業界を震撼させた。

自分を育てた養父に「正義の味方になる」と幼い日に誓った士郎。その思いは彼にとって呪いのように根を張る…(第二章)
自分を育てた養父に「正義の味方になる」と幼い日に誓った士郎。その思いは彼にとって呪いのように根を張る…(第二章)[c]TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

公開後もロングラン上映され、2月に累計興収15億円を突破。19年1月12日(土)には続編『劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]II. lost butterfly』(以下『第二章』)も公開される。このアニメ・ゲームファンには絶大な認知度を獲得しながらも、映画界としてはノーマークであった「Fate」シリーズの魅力、そして”強さ”について、本作のプロデューサー・高橋祐馬氏に話を伺った。

冬木市で何気ない日常を送ってきた士郎たちに、波乱のドラマが待ち受ける…(第一章)
冬木市で何気ない日常を送ってきた士郎たちに、波乱のドラマが待ち受ける…(第一章)[c]TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

会社へ届いた手紙で確信した、『第一章』の手応え

ーー『第一章』が週末動員ランキング1位を記録したことについて、高橋さん、製作陣はどのような感想を持たれていたのでしょう?

「素直にうれしかったのもありますが、それ以上に“お客さんへの強い感謝”の気持ちが大きかったです。スタッフ、キャストが熱意を持って制作した映像を多くの方に楽しんでもらえたありがたさと共に、三部作の第一章ということで、観てもらうことこそが『第二章』をさらに頑張って作るエネルギー”になるのは間違いなかったので、温かく大きなものをいただいたと感じています」

ーー『第一章』を観て初めて「Fate」シリーズに触れた方もいたと思いますが、どんな反響が寄せられましたか?

「公開後のある日、『第一章』で『Fate』に初めて触れたという10代の方から会社に手紙をいただきました。『とても楽しかったです。桜ちゃんに幸せになってほしいと強く感じました。「第二章」で彼女の笑顔が観られるのを楽しみにしています!』という内容で、須藤(友徳)監督が描こうとしている”間桐桜の物語”という点が、初めての方にも深く届いたのは非常にうれしかったですね。『第二章』でも桜の笑顔は描かれますが、それがどんな想いの笑顔なのかは、ぜひ劇場で確かめていただければ幸いです」

士郎の一年後輩・間桐桜(声:下屋則子)は、士郎の妹的な存在。[HF]三部作におけるメインヒロイン(第一章)
士郎の一年後輩・間桐桜(声:下屋則子)は、士郎の妹的な存在。[HF]三部作におけるメインヒロイン(第一章)[c]TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

ーーお手紙を下さった方のように、「Fate/stay night」が年月を経ても、どんどん人を引き付ける理由、その最たるものは何だとお考えですか?

「私が語るのも甚だ恐縮ですが、エンターテインメントの全てが詰まっているからだと感じています。見たことのない予想外のものへのワクワク、個性的で魅力的なキャラクターたちの活躍、確立された秀逸な世界観、それらで紡がれる圧倒的な人間ドラマ、等々。一言で言えば「非常に面白い作品だから」でしょうか」

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