妖艶さと狂気を備えた伝説の女優がスクリーンに!「京マチ子映画祭」開催決定

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妖艶さと狂気を備えた伝説の女優がスクリーンに!「京マチ子映画祭」開催決定

黒澤明監督の『羅生門』(50)、溝口健二監督の『雨月物語』(53)、そしてカンヌ国際映画祭グランプリを受賞した衣笠貞之助監督の『地獄門』(53)など、世界的評価を集めた日本映画に相次いで出演し“グランプリ女優”との異名を持つ伝説の女優・京マチ子の出演作を集めた「京マチ子映画祭」が開催されることが決定した。

1924年に大阪で生まれた京は、現在のOSK日本歌劇団の前身である大阪松竹少女歌劇団で活躍後、大映に入社。瞬く間に大映のトップ女優として君臨し、国内外の映画ファンを魅了。『化粧』(84)を最後にスクリーンから離れ、テレビや舞台へと活躍の場を移した彼女は94歳を迎えた現在もご健在であり、17年には第40回日本アカデミー賞の会長功労賞を受賞している。

19年は京のデビュー70周年となる節目の年。それを記念して開催される「京マチ子映画祭」では、彼女の代表的な出演作品32作品を上映。前述の『羅生門』『雨月物語』『地獄門』はもちろんのこと、今回が4K修復版で初の国内上映となる溝口健二監督の『赤線地帯』(56)、ほかにも市川崑監督の『鍵』(59)や『ぼんち』(60)、小津安二郎監督の『浮草』(59)など、名作中の名作が勢ぞろい。

さらに京と並び日本三大女優の1人として数えられる田中絹代がメガホンをとった『流転の王妃』(60)、同作ののちに大映を退社した大女優・乙羽信子との演技合戦が見ものの『浅草紅団』(52)、そして特集上映が行われる映画館・角川シネマ有楽町が入る読売会館の半世紀以上前の姿「旧有楽町そごう」を舞台にした『有楽町で逢いましょう』(58)の3本は今回の特集上映に合わせて初DVD化も決定している。

他にもスクリーンで一度観ておきたい傑作・名作がずらりとラインナップ。是非ともこの機会に、日本映画界の最も輝かしい時代をさらに輝かせた女優・京マチ子の迫真の演技を目に焼き付けてほしい。「京マチ子映画祭」は19年2月23日(土)から角川シネマ有楽町ほか順次開催。

文/久保田 和馬

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