ゴールデン・グローブ賞、ワーストドレッサーには常連とファッショニスタが勢揃い!
1月6日に開催された第76回ゴールデン・グローブ賞では、真っ黒だった昨年と比べて、さまざまなデザインやカラーの華やかなドレスがレッドカーペットを彩った。
今年のトレンドの一つ、ラッフルドレスやボールガウンドレスにスリットが入ったデザインは、バランス感が難しいこともあって、不評ドレスとして挙げられているケースが多いほか、例年通り柄物や過剰な飾りが敬遠されるのも特徴で、今年もベストドレッサーの常連がワーストに名を連ねている。
SNSの普及により、昨今では言論の自由を謳うアメリカでも、以前のようにあからさまにファッションを酷評できない風潮にあるが、それでもベストがあるなら、反対にワーストもあるもの。多数のメディアの意見をまとめてみた。
ワーストドレッサーの常連で異次元のファッションで楽しませてくれている45歳のハイディ・クルムが、今年もワースト入り。29歳の婚約者とレッドカーペットを歩いたが、若返りを意識したのかモニーク・ルイリエのボールガウンドレスをチョイス。カラーは黒だが、胸が半見えの透け素材のボディスと、カラフルな3Dの花があしらわれたお姫様スカートのウエストにはリボンという年齢不相応の賑やかすぎるデザインが、プロムドレスのようでコミカルと不評だった。
いつもはシンプルでおしゃれなルーシー・リューが選んだガリア・ラハヴのワンショルダーのドレスは、ペールピンクのオーガンジー素材にカラフルで煌びやかなデザインとローズゴールドのベルト、ハイネックのオーガンジー素材のチュールが安っぽいという理由で、エリー・サーブのヒョウ柄ドレスをチョイスしたアン・ハサウェイは、メタリックなボディスにシルバーのベルト、スリットの入ったボリューミーなドレスのデザインが賑やかすぎることや、ワイルドなアニマル柄が授賞式にふさわしくないことからワーストに選ばれている。
またアンバー・ハードの、ボリューミーなヘアスタイルに、モニーク・ルイリエの黒いビスチェタイプのボディスに白いドレスはマリー・アントワネットを思わせる中世風のお姫様を意識したようだが、左右アシンメトリックでエッジの効いたイヤリングは「ルネッサンスファッションにモダンな要素を取り入れようとした失敗例」「上下白黒に分断されたデザインも、ウエスト部分が下がりすぎて背が低く見え、バランスが悪い」と不評で、「せっかく美しいのに、最近のファッションを見る限りスタイリストを解雇すべき」といった声まであがっている。
また同じくモニーク・ルイリエを選んだケイリー・クオコの、トップスが紺のベルベットにボトムスが白いドレス、ウエストには黒いベルベットのリボンという装いもあまり評判がよくなかったようだ。
ベストドレッサーの常連で期待値が高いペネロペ・クルスは、今回ラルフ&ルッソの黒地に紫の煌びやかなボールガウンドレスをチョイス。ホルターネックの後ろで結んだベルベットの大きなリボンやドレスのデザインが不評だったほか、バーガンディカラーで統一したハル・ベリーは、ラフすぎるポニーテールに、自慢の胸が大胆に露出したプランジネックにスリットの入ったボトムスがアシンメトリックなズハイル・ムラドのシースルードレスが、ベストドレスとみなされなかったようだ。
また、アリソン・ブリーのヴェラ・ウォンのカスタムメイドのドレスは、オーガンジー素材のドレスがまるでディズニーのお姫様のようだが、ジュエリーがあしらわれたブラトップとのアンバランスという理由で、シンガーソングライターのジョアンナ・ニューサムのロダルテのヌードカラーのドレスは、エプロンのような胸元のハートとうるさすぎるデザインが、ソフィア・カーソンが着ていたジャンバティスタ・ヴァリのモノトーンのドレスも、まるでエプロンのようなトップスのフリルとウエストの黒いリボン、スカートのフリルが不評だった。
他には、ケイト・マーラの豊かな胸元が強調された煌びやかなトップスに、ハイウエストのオレンジ色のミュウミュウのドレスと一風変わったヘアスタイルには、ケイトのファンですら「どうしちゃったの?スタイリストは解雇よ」とツイートするほど。
アルベルタ・フェレッティのハンサムな黒いタキシードスーツを選んだジュディ・グリアは、フェミニンなポニーテールにオーバーサイズのダブルのブレザーとワイドパンツがアンバランスだったうえに授賞式にはふさわしくないと言う理由で、デブラ・メッシングの手染めのフェザーを1000以上も使った手の込んだパメラ・ローランドのシルバーと黒のドレス、個性的なジャネール・モネイが選んだシャネルのエジプトコレクションのドレス、クレア・フォイのイエローのミュウミュウのドレス、コンスタンス・ウーの下着のようなボディスのヴェラ・ウォンのヌードカラーのドレス、ジェシカ・チャステインのボディスのウエストラインが低めの黒いバーバリーのドレス、マーヤ・ルドルフの黒いヴァレンティノの全身ラッフルドレスにも厳しい審判が下された。
男性ではジョニー・デップの娘リリー・ローズと交際中のティモシー・シャラメの全身真っ黒なシャツとパンツにルイ・ヴィトンのハーネスが、アフターパーティ・ドレスでは、クリスチャン・アドネヴィックの下着のように薄いバレリーナのコスチュームのようなボディスにオーガンジー素材のスカートに間隔のあいた3段重ねのフリルのドレスを着ていた45歳のケイト・ベッキンセールが、年甲斐のないドレスとしてワーストに選ばれている。
NY在住/JUNKO