柳楽優弥、“夜明け”宣言!会場の“名前入りうちわ”に笑顔
是枝裕和監督・西川美和監督の愛弟子である広瀬奈々子監督が、柳楽優弥を主演に迎えて描く人間ドラマ『夜明け』の公開記念舞台挨拶が1月19日に新宿ピカデリーで開催され、柳楽をはじめ、小林薫、YOUNG DAIS、鈴木常吉、高木美嘉、広瀬監督が登壇。柳楽が「僕のデビュー作が、是枝監督の『誰も知らない』。平成最後のタイミングで、是枝監督のお弟子さんの初監督作品に主演として参加させていただけた」と感無量の面持ちを見せ、「この作品は、僕にとっても“夜明け”になる」と宣言。「ここで得たことを次の元号でも引き継いで、上を目指して頑張りたいと思います!」と力強く語った。
本作は、秘密を抱えて逃げてきた青年(柳楽)と彼を偶然救った男(小林)が、なにかを埋めるように寄り添いながら、親子のような関係を築いでいく姿を描く人間ドラマ。会場には、柳楽の名前を書いたうちわも見受けられるなど大歓声と共に迎えられ、うれしそうな笑顔で手を振って応じた柳楽。近年は『ディストラクション・ベイビーズ』(16)や「銀魂」シリーズ(17、18)など、個性的なキャラクターを演じることも多かったが、本作での主人公は「最近演じたなかでは、一番普通な青年」とのこと。それだけに「自分をさらさなければいけない」と覚悟したそうで、「裸にされているくらい。監督を信頼して、現場で生まれたことを大事にしようと思っていました」と語る。
特別な関係性を育む間柄として、小林とのシーンも多かったが、柳楽は「小林さんがいてくださると、こういう言い方はあれですけど…現場のクオリティが上がる。偏差値が上がる」と信頼しきり。「大河ドラマで共演させていただいこともあって、親しみやすかった。僕自身もしっかりついていかなきゃと思いますし、おこがましいですが“負けたくない!”と思って、引っ張っていただいた」と小林の懐の深さに感謝していた。
本作でデビューを果たした広瀬監督は「今日を迎えられてうれしい」と微笑み、「言葉の少ない作品。言葉に頼らずに作ろうというのは、ひとつの挑戦だった。役者さんたちの繊細なお芝居に支えられた作品」と役者陣を称えた。柳楽は「こういう作品が大きな劇場で上映されるのが、うれしい。夢がある」と満席の会場を見渡し、喜びをにじませていた。
取材・文/成田 おり枝