清原果耶、16歳。“思春期のゆらゆら”を抱え、悩み抜いた熱演を山田孝之プロデューサーも絶賛

インタビュー

清原果耶、16歳。“思春期のゆらゆら”を抱え、悩み抜いた熱演を山田孝之プロデューサーも絶賛

オーディションでヒロイン役を勝ち取った
オーディションでヒロイン役を勝ち取った撮影/黒羽政士

オーディションでは、満場一致で奈々役に抜擢された清原だが、「オーディションの時、本当にこの役を演じたいという強い想いはありましたが、渡された脚本を読んでも、奈々という役柄をなかなかつかめなかったんです。ただ、奈々に対してなんとなくシンパシーを感じていました」と述懐。

“人間の善と悪”という重厚なテーマについては「本当に深い」と言葉をかみしめる。「答えがない作品なので、私自身も悩まされました。自分もその時々の感情や感性で善と悪の値は変わるし、いまの私の経験値では、善悪についてなにも話せないというのが率直な感想です」。

清原は「なにが正解か分からないまま演じていました」と撮影初期の戸惑いを隠さない。「でも、撮影の途中段階で山田さんと対談させていただいた時、山田さんから『清原さん自身が奈々に見える』と言っていただき、そこから吹っ切れました」。

その後、清原は自身の思うままに、奈々役を演じていったそうだ。「撮影当時、私自身が奈々と同じように、思春期ならではのゆらゆらしているところがあり、現場でもずっと気を張りながら過ごしていました。自分のことで精一杯だったので、本当にスタッフの方にご迷惑をおかけしたと思います。だから、皆さんのおかげで奈々を無事に演じきれたという気持ちが一番大きいです」。

【写真を見る】清原果耶が感情を爆発させる名シーン
【写真を見る】清原果耶が感情を爆発させる名シーン[c]2019「デイ アンド ナイト」製作委員会

『3月のライオン 前編』(17)では、まるで幼子のように大粒の涙を流して号泣する演技が称えられた清原。「ああいう泣き芝居があったのは初めてで、すごく焦りました。現場で泣けなくて、すごく悔しい思いをしたんですが、あの時も主演の神木隆之介さんが『気負わなくていいよ』と言ってくださり、その言葉がすごく支えになりました」。

今回も奈々が自身の過去と向き合い、感情をほとばしらせるシーンがある。しかもその撮影が初日だったそうで「いま考えると、すごいシーンからインしたなあと思います」と笑うが、前回の経験を踏まえて無事にクリア。

「それでも形になったのは、皆さんのおかげ。台本を読み込んでいくにつれ、私も奈々に共感できるようになっていきましたが、それだけではなく、奈々を理解したいという私の気持ちと、私がぶつけにぶつけたお芝居を、監督やスタッフのみなさん、キャストの皆さんが受け止めてくださったからできたのかなと。まさに現場の空気感で出てきた感情だったと思います」。

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