ピーター・ジャクソンが監督!最新技術で蘇る、1969年のザ・ビートルズ
『ロード・オブ・ザ・リング』(01)、『ホビット 思いがけない冒険』(12)などで知られ、ファンタジー大作『移動都市/モータル・エンジン』(3月1日公開)の公開を控えるピーター・ジャクソン監督が、 ザ・ビートルズのドキュメンタリー映画の製作に取り組んでいる。米国時間1月30日にApple Corps Ltd.とジャクソン監督の製作会社WingNut Films Ltd.が発表して以来、ファンから注目を浴びている。本作は、ビートルズが1969年1月に行った最後のレコーディング・セッションなどを収録した、55時間におよぶ記録映像で構成されるそうだ。こちらには、1970年に公開されたドキュメンタリー『レット・イット・ビー』で未公開だった映像も含まれる。
ピーター・ジャクソンが監督したドキュメンタリー映画と言えば、 『They Shall Not Grow Old(原題)』が去年米国で公開されたばかりだ。本作は、第一次世界大戦を記録したフィルムを最新技術で修復し、鮮明な映像で当時の戦場を描いた作品に仕上げられた。ジャクソン監督は、同作で使用した最新技術をザ・ビートルズのドキュメンタリーでも駆使し、当時の映像を観客がよりリアルに体感できるように仕上げる予定だそうだ。
ザ・ビートルズの未公開映像を鑑賞したジャクソン監督は、「55時間の未公開映像と、140時間にも及ぶ音源のおかげで、ザ・ビートルズのファンが長年夢見てきた、バンドの舞台裏を体感できる映画が実現化できると確信しました」「タイムマシンのように観客を1969年に連れて行き、スタジオで座りながら4人が素晴らしい音楽を一緒に作るところを目撃することになります」とコメントしている。
音楽史では未だに、ザ・ビートルズの解散の真の理由に関して様々な意見が飛びかっている。この映画で使われる未公開映像が、解散18か月前のメンバーの当時の関係性を記録した重要な映像であることは確かだ。鮮明な映像と音声で、より親身な目線でバンドの歴史を蘇らせようという本作の試みに、ポール・マッカートニーや、リンゴ・スターに加え、オノ・ヨーコや故ジョージ・ハリスンの妻、オリヴィア・ハリスンといったメンバーの家族からも支持を得ているそうだ。
ジャクソン監督も、「(映像を鑑賞して)噂とは違う事実を発見できて安心しました。もちろんいざこざがある瞬間もありますが、解散に繋がったと噂される内容とは無関係なものだけです。」と語っている。
公開日については明らかになっていないが、複数メディアが「レット・イット・ビー」の アルバムのリリース50周年にあたる2020年に公開されるのではないか、と報じている。
LA在住/小池かおる