『ポーラー』で最強のヒットマンを演じるマッツ・ミケルセン、いつか演じてみたいのはあのサッカー選手!
北欧出身の紳士的な俳優として知られるマッツ・ミケルセンが、史上最強の暗殺者“ブラックカイザー”こと、ダンカンを演じている『ポーラー 狙われた暗殺者』。スペインの漫画家ヴィクター・サントスの人気シリーズを原作に、『SPUN スパン』(02)『ホースメン』(08)のヨナス・アカーランドが躍動感のある映像で描いた本作は、現在Netflixで配信されている。このたび、別作品の撮影を終え、しばらくは休暇を取るというミケルセンにインタビューをおこなった。
本作において最も大きな挑戦となったのは、やはりマンガキャラを演じること自体だったよう。「グラフィック・ノベルのキャラクターを演じるというのは、紙の上に書かれた人物をスクリーンに再現するということ。映画は、物語の軸足を普遍性へと動かさなくてはならないが、原作の意図からずれてもいけないんだ」。そのうえで自身が演じた最強の暗殺者ダンカンについては「僕はダンカンの力強さや、冷酷なところが気に入ったけど、敵をやっつけた後にちょっとしたジョークを言うような、いわゆる“コミックヒーロー”と言われるようなキャラクターにはしたくなかった。おもしろみを出すとしたら、ダンカンの社会的視点のズレを笑うことになるかな」とコメントした。
本作ではアクションも多く、身体的にも大きな挑戦だったのでは、と尋ねると「もちろん」と答えたミケルセン。「アクションシーンにおいて、ダンカンがプロテクターを着て演じられるような状況ではなかったってことは気づいてもらえたよね(笑)。コンクリートに囲まれたところで、半裸でアクションをするのは本当に大変だったよ。撮影前には、目を閉じて、ブーツの靴紐をきつく結び、『やるしかない!』という状況だった」
また、映画化の話を聞いた時の率直な感想については「グラフィック・ノベルから受けた感情は、ショッキングであり、悲しく、いろいろな思いが湧いたよ。それら全てをこの映画に入れたいと思った。スピーディな殺し屋のドラマと、大切な人との関係を築くスローなドラマの両方のペースを入れたいと思った」と振り返り、「ちなみに今回は、まっさらの状態から脚本家とキャラクターを作り上げていって、そのあとに原作のエッセンスを抽出した。原作からも影響を受けているのは確かだけれど、役作りのプロセスとしては逆ということになるね」と制作裏を明かした。