【第91回アカデミー賞】助演女優賞は『ビール・ストリートの恋人たち』のレジーナ・キング
第91回アカデミー賞授賞式が、現地時間2月24日(日本時間25日)にハリウッドのドルビー・シアターで開催された。『女王陛下のお気に入り』(公開中)からエマ・ストーン、レイチェル・ワイズの2人がノミネートされるなど、混戦模様だった助演女優賞。軍配は『ビール・ストリートの恋人たち』(公開中)のレジーナ・キングに上がった。
本作は、『ムーンライト』(16)において第89回アカデミー賞で作品賞など3部門受賞を果たしたバリー・ジェンキンス監督が、黒人作家ジェイムズ・ボールドウィンの小説を映画化したラブストーリー。幼い頃から共に育ち、強い絆で結ばれた19歳のティッシュ(キキ・レイン)と22歳の恋人ファニー(ステファン・ジェームズ)を主人公に、無実の罪で投獄されてしまったファニーを助けようと、ティッシュとその家族が奔走する姿を描く。レジーナは、娘のティッシュを支える優しくも力強い母親シャロンを演じ、第76回ゴールデン・グローブ賞をはじめ、アカデミー賞前哨戦の助演女優賞を総なめにしている。
初ノミネートにして、初受賞を果たしたレジーナは、真っ白のドレス姿でステージに上がった。オスカー像を見つめ「ジェイムズ・ボールドウィンが子どもを育て、愛で包みました。ここに私が立てることは適切だと思います。というのも、愛とサポートを注ぐとこのような結果になると示したから」と原作者に敬意を評し、「お母さん、心から愛しています。私に『神はいつも私のほうを向いている』と言ってくれてありがとう」と瞳に涙を浮かべながら、母への感謝と愛を語った。
レジーナ・キングは1971年、米国カリフォルニア州生まれの48歳。85年にテレビシリーズ「227」でキャリアをスタートさせた。『ボーイズ’ン・ザ・フッド』(91)で映画初出演を果たし、『ザ・エージェント』(96)、『Ray レイ』、(04)『デンジャラス・ビューティー2』(05)などに出演。テレビシリーズ「アメリカン・クライム」で、15年と16年のエミー賞リミテッドシリーズ/テレビムービー部門助演女優賞を受賞。さらにNetflixオリジナルドラマ「運命の7秒」で同賞の主演女優賞受賞を果たしている。
文/成田 おり枝