『キャプテン・マーベル』でMCU初参加の監督コンビ「戦闘機に乗って、クレイジーな重力を体験したことが印象深いです」
“アベンジャーズ”誕生のカギを握るヒーローの活躍を描くマーベル・スタジオ最新作『キャプテン・マーベル』が、いよいよ3月15日(金)から公開。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初参加となった、監督のアンナ・ボーデンとライアン・フレックに、映画作りの裏側や故スタン・リーとの思い出を聞いた。
――脚本作りはどのように行なわれたのでしょうか?
ライアン「キャプテン・マーベルは、1960年代後半から活躍し続けているキャラクターです。膨大な数のコミックを読み、この物語の核は何かを探る作業は大変でした。脚本を書くにあたり、ケリー・スー・デコニックさんはじめ、多くのコミックライターが書いたエピソードを参考にしました」
――キャプテン・マーベルの魅力はなんだと思いますか?
アンナ「強くて何事もあきらめないヒーローとしての資質がありながら、自信過剰で脆さを持っているなど人間味にあふれているところです。複雑な内面を持ち、それを体現しているところが彼女の魅力だと思います」
――現場で印象に残っていることを教えてください。
ライアン「初めて宇宙船のセットを見た時の感動ですね。2人で何度もセットの中を歩きまわって、『私たちはこういう世界を作るんだ』と感慨にふけりました」
アンナ「準備期間のことですが、作品のことをさらに理解するために、戦闘機F16に乗ることにしたんです。もちろん主演のブリー・ラーソンもね。4〜7Gというクレイジーな重力を体験したことが、特に印象深いですね」
――もっとも苦労したのはどのシーンですか?
ライアン「映画の冒頭、スターフォース(キャプテン・マーベルも所属するクリー人の精鋭部隊)が異星でスクラル人と戦うシーンです。大がかりなアクションで、撮影が深夜まで続いたためクルーも俳優たちも疲労の限界。でもコスチュームやメイクをした俳優たちが、そこら中でうたた寝をしたり、ゾンビのようにスタジオをうろついたりする姿はとてもシュールで、思わず笑ってしまいました」
――昨年11月に亡くなったスタン・リーさんとお会いした時のことを聞かせてください。
ライアン「カメオ出演のため現場に来た時にお会いしました。スタン・リーさんは伝説であり、たくさんの人々に多大な影響を与えたすばらしい方です。会えて光栄でしたし、クルー全員にとって特別な日になりました。彼の訃報を聞き、とても残念に思っています」
――MCUに参加した感想をお聞かせください。
ライアン「マーベル・スタジオは、CEOのケビン・ファイギをはじめ、全員がチームで取り組みます。ブレインストーミングも、アイデアや意見を出し合ってホワイトボードを埋めてゆく。本当に刺激的な体験でした」
アンナ「私たちがこんな大作を撮れたのは、彼らと組めたからだと思います。また一緒に仕事をしたいですね。その一方で、再び小規模な映画を作りたいという気持ちも持っています。大作と低予算、それぞれの魅力を知ることができたすばらしい現場でした」
取材・文/神武団四郎