制作期間15年!「チェブラーシカ」の老舗スタジオが作る人形アニメが幻想的で“ちょっと怖い”!?
ロシア発のパペットアニメ「チェブラーシカ」。愛嬌たっぷりの大きな目とモフモフとしたかわいらしい姿で、今や日本でもすっかりおなじみのキャラクターだ。そんな「チェブラーシカ」を手掛けたソユーズムリトスタジオが、15年(!)もの歳月をかけて制作した新作アニメーション『ホフマニアダ ホフマンの物語』が、4月2日(火)から劇場公開される。
『ホフマニアダ ホフマンの物語』は、ドイツ幻想文学の巨匠として知られるE.T.A.ホフマンを主人公にすえ、彼が残した文学作品「黄金の壺」「砂男」「くるみ割り人形とネズミの王様」の登場人物と共に、現実と空想世界をさまよう姿をパペットアニメで表現したファンタジー映画だ。
1936年創立のソユーズムリトスタジオが手掛ける映像は、幻想的でありながら精緻。風に揺れる髪の毛の一本一本の質感や、セリフとリンクした登場人物の口の動き、果てはダイナミックな剣術アクションまで“神は細部に宿る”とばかりに、パペットを駆使した繊細な動きが描き込まれている。
本作は、1コマずつ撮影を重ねる“ストップモーション”という手法で映像が作られており、公開されているメイキング映像を見ていると、パペットを撮影し、少し手や頭を動かして再度撮影。さらに少し動かしてまた撮影…の繰り返し。この気が遠くなるような狂気とも言える作業が積もり積もって15年、CGでは出せない独特の質感が表現されているのだ。
ロシアの老舗スタジオが長い年月をかけて作り上げた本作は、少し不気味な感じもありながら、どこか温かみとパペットたちのユーモラスな動きが堪能できる。アニメーターたちの技術と努力が結集したこの作品を、映画館の大画面でぜひ味わって!
文/トライワークス
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