兄に圧倒され、弟に興奮!ハリウッド最強の兄弟監督がみせる男節に酔う
『ノーカントリー』(07)のコーエン兄弟や『メリーに首ったけ』(98)のファレリー兄弟、『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー兄弟など、ハリウッドで成功した兄弟監督は意外と多い。そんな中、共同ではなく個々の監督作で賞賛を受けているのがリドリー&トニー・スコット兄弟だ。そんな彼らの新作が、この年末年始に続けて公開される。お気に入りの俳優を起用して、それぞれ真骨頂を発揮しているのだ。
兄リドリーは、12月10日(金)に『ロビン・フッド』が公開。伝説の英雄ロビン・フッドを題材にした得意の史劇ものに、『グラディエーター』(00)でコンビを組んだラッセル・クロウが主演となれば、面白くないはずがない。もともと『ブレードランナー』(82)で注目されたリドリーは、ビジュアリストとも称され、そのアーティスティックともいえる世界観が強みだ。壮大な史劇大作の中で見せる、重厚かつ迫力の映像美に圧倒されるだろう。
一方、弟トニーも負けてはいない。2011年1月7日(金)に公開される『アンストッパブル』は、これが4度目のコンビとなるデンゼル・ワシントンを主演に、アメリカで実際に起きた列車事故を元にしたサスペンスアクション。突如、暴走し始めた列車を止めるためにふたりの男が命がけで奔走する物語で、暴走する列車のスピーディな映像と、人間ドラマのメリハリがきいた描写で、最後まで興奮が止まらないはずだ。
兄弟それぞれに繰り出す作品の味わいは違うものの、骨太なドラマと迫力の映像という男節が炸裂するのはお互いに共通するところ。製作を共同で務めることも多い彼らだが、最近では『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(10)をヒットに導いたことも記憶に新しい。さらにリドリーの息子ジェイク・スコットも監督であり、現在は『サブウェイ123 激突』(09)のジェームズ・ガンドルフィーニ主演の新作が待機中。スコットの名は、映画界にまだまだとどろきそうだ。【トライワークス】