長江俊和×都市ボーイズ “オカルト界のレジェンド”が語るリアルすぎる恐怖ドラマの裏側【ドラマ「東京二十三区女」特別鼎談】|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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インタビュー 2019/4/12 21:00

長江俊和×都市ボーイズ “オカルト界のレジェンド”が語るリアルすぎる恐怖ドラマの裏側【ドラマ「東京二十三区女」特別鼎談】

都市ボーイズ 岸本誠(左)、長江俊和監督(中央)、都市ボーイズ 早瀬康弘
都市ボーイズ 岸本誠(左)、長江俊和監督(中央)、都市ボーイズ 早瀬康弘

WOWOW初のホラーミステリードラマとして、4月12日(金)から放送を開始する「東京二十三区女」(毎週金曜24時~第1話無料放送・全6話)。本作は、これまで「奇跡体験!アンビリバボー」や、リアルすぎるフェイクドキュメンタリーとして話題呼んだ「放送禁止」シリーズ、「eveのすべて」などを手掛けてきた映像作家、長江俊和が自身の同名小説をドラマ化したファン待望の最新作だ。

本作では、倉科カナ、安達祐実、桜庭ななみ、壇蜜、中山美穂、島崎遥香といった豪華女優陣がそれぞれ1話ずつ主演を務め、渋谷区、江東区、豊島区、港区、板橋区、品川区に実在する恐怖スポットについての伝承や隠された歴史を浮き彫りにしていく。

今回Movie Walkerでは、これまで数多くの映像作品や著書を世に送りだしてきた“オカルト界のレジェンド”長江監督と、都市伝説やオカルトについて様々なメディアで取り上げてきた若手放送作家コンビ「都市ボーイズ」の岸本誠と早瀬康広との鼎談を実施!前編となる今回は、本作の見どころや、長江監督のこだわりポイントなどについて語ってもらった。

今回も作品の中にストーリー鍵となるのヒントを隠したという長江監督
今回も作品の中にストーリー鍵となるのヒントを隠したという長江監督

「実生活の延長にある恐怖のように感じられてくるのが新鮮でした」(早瀬)

岸本誠(以下、岸本)「僕らは『都市ボーイズ』と申しまして、本業は放送作家なんですが、都市伝説やオカルトが好きで、トークライブなどもやらせていただいてます。長江監督が作られた作品の大ファンで、今回の対談はとても楽しみでした」

早瀬康広(以下、早瀬)「僕は緊張しすぎて、お風呂で頭を洗ったのに、またすぐに2回目を洗ってしまいました(笑)」

長江俊和(以下、長江)「なんと!ありがとうございます。僕もうれしいです」

岸本「さっそくですが、ひと足先に拝見させていただいた『東京二十三区女』の感想から話をさせていただければと思います」

長江「もう、全話観てくれたんですね」

早瀬「はい!僕は高校生の時に、長江監督が手掛けられた『放送禁止』の第1回を偶然深夜にテレビで見て、そのオチに震え上がりました。それから『放送禁止』シリーズにドハマりして、学校では『事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない』と、シリーズのキャチコピーを友達に言い続けるという普及活動をしていました(笑)」

長江「それはうれしいですね。ありがとうございます」

早瀬「本作では古くから語り継がれてきた怪談や伝承を映像化して現代に結びつけていて、まるで現代落語を観ているような気持ちになりました。渋谷区、江東区、豊島区…と描かれていくのを見ていると『次、自分が住んでる区に来るんとちゃう?』と、実生活の延長にある恐怖のように感じられてくるのが新鮮でした」

長江「確かに…。でも、まだ6区しか描かれていないからね(笑)」

岸本「僕も早瀬と同じくらいの年齢の時に『放送禁止』と出会いました。深夜におかしなドキュメンタリーやってるなあと思って観ていたら、だんだんと不可解な状況へと発展していくので、『これはマジなのか?それともウソ?』と混乱しました。最後まで見て、そういうことだったのかと納得しましたが、本当に衝撃を受けた作品だったんです。今回も、東京の身近な場所が舞台なのでリアリティがすごかったです。僕は新宿出身なので、出てくる場所がより身近に感じられて、のめり込んで見ちゃいました」

第5話「板橋区の女」の主演を務めた中山美穂
第5話「板橋区の女」の主演を務めた中山美穂

「誰と縁が切りたいとか実名で書いている無数の絵馬を見た時は本当に怖かった」(長江)

岸本:「今回、ドラマで取り上げられた6区について、なにか選ばれた基準などはあるんでしょうか」

長江「特に基準はないですが、小説は板橋区編から書いたんです。東京の恐怖スポットや都市伝説を調べていた時に、誰かと縁を切りたい人たちが絵馬に願いを書いて奉納する “縁切り榎”という場所を板橋区で見つけて、これを題材にしたい!と書き始めました」

岸本「ドラマでは第1話は渋谷区の“渋谷川の暗渠(あんきょ)”が題材でしたが、なにか理由があったんですか?」

長江「ドラマの第1話はなるべく多くの人に見てもらいたいと思い、人が多く集まる渋谷区にしました。センター街の下を流れているという渋谷川には、ずっと興味があったんです。僕は暗渠の中に入ったことはないんだけど、知り合いのディレクターが『アンビリバボー』で取材した時の映像を見たり、話を聞かせもらったりしたんです。撮影許可が降りる範囲が決まっていて『この先は有毒ガスが充満しているので入っちゃいけない』と言われたそうで。そういう部分を小説にしたいと思い、書きました」

第4話「港区の女」の主演を務めた壇蜜
第4話「港区の女」の主演を務めた壇蜜

岸本「板橋区編の“縁切り榎”と品川区編の“鈴ヶ森刑場跡”はロケでも行ったことがあったので、思い入れのある場所でした。お台場は放送作家の仕事で行ったりもするので。これらの場所を選んだ理由を教えてください」

長江「港区編に関しては、『メジャーな場所を舞台に書いてほしい』と小説の担当編集から依頼があったので、渋谷区の次は港区だ、となったんです。僕も、同じくお台場にはよく行くんで(笑)。夜中まで仕事して、午前2時ごろにタクシーに乗ってレインボーブリッジ付近を走っている時に、雨とか降ってると夜景が滲んでほんと綺麗なんですよ。そういう感じを出せないかなと思って書いたんです。あと、港区の一番有名な怖い話と言えば“タクシー怪談”で、青山墓地で女性を乗せたタクシー運転手が『目的地に着きましたよ』と言うと女性の姿がなくて、どこに行ったんだろうと思って探していたら、近くでその女性のお葬式をやっていた、みたいな話があって。そこからインスパイアされて、お台場からタクシーに乗った女性が、六本木に行きたいのになかなか着かない恐怖…みたいなところを起点に港区編は書いていきました」

岸本「タクシー怪談は本当に有名ですよね。タクシーが題材のものって結構あるなかで、今回のような切り口はなかなかないのでびっくりしました」

長江「ロベール・アンリコ監督が60年代に撮った短編で『ふくろうの河』という映画があって、アメリカの作家アンブローズ・ビアスによる短編集の中の『アオル・クリーク橋の出来事』を原作にしているんです。アメリカのドラマシリーズ『トワイライト・ゾーン』としても放送されたんですが、港区編は、その『ふくろうの河』のオチをさらにひっくり返せないかなと思って書きました。ドラマで竹中直人さんにタクシー運転手を演じてもらったんですが、小説には運転手の名前は出てこないんです。ドラマでは『乗務員証が映るから名前をつけてほしい』と言われ『ふくろうの河』から取って、“野河福郎(のかわ ふくろう)”にしました。あんまり映ってないですけど(笑)」

岸本「すごい!そういう遊びを作品内でしたくなることってありますよね」

長江「実はほかにもあって、港区編のタクシー会社の名前って覚えてます?車体に書いてあって一瞬映るんですけど、『ジョーイム交通』にしたんです。それは、『放送禁止』的な伏線になっているので、ぜひ見てほしいですね」

早瀬「本作にも『放送禁止』のように、ストーリーの鍵となるヒントが画面のどこかに隠されているんだろうなと思って、騙されないぞ!という気持ちで観ていましたが、気づかなかったです。そういうのを1つ1つ聞いていったら、いっぱいあるんでしょうね」

長江「板橋区の“縁切り榎”は商店街の中にあるんですよ。あそこに行って、誰と縁が切りたいとか実名で書いている無数の絵馬を見た時は本当に怖かったです」



WOWOWオリジナルドラマ「東京二十三区女」(全6話) ※第1話無料放送
4月12日(金) 24時放送スタート 毎週金曜24時放送

第1話「渋谷区の女」主演:倉科カナ 4月12日(金) 24時
※WOWOWプライムにて4月14日(日)10時30分、4月29日(月・祝)23時に再放送
第2話「江東区の女」主演:安達祐実 4月19日(金) 24時
第3話「豊島区の女」主演:桜庭ななみ 4月26日(金) 24時
第4話「港区の女」主演:壇蜜  5月3日(金・祝) 24時
第5話「板橋区の女」主演:中山美穂  5月10日(金) 24時
第6話「品川区の女」主演:島崎遥香  5月17日(金) 24時

WOWOWオリジナルドラマ「東京二十三区女」番組サイト
https://www.wowow.co.jp/drama/tokyo23ku/

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