水谷豊監督を、盟友・岸部一徳が「常にチャレンジャー」と称賛!
水谷豊の監督2作目で、水谷監督自身が初脚本に挑んだ完全オリジナルストーリーの映画化『轢き逃げ 最高の最悪な日』(5月10日公開)の完成披露試写会が、4月16日に新宿のパークタワーホールで開催され、主演の中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、毎熊克哉、檀ふみ、岸部一徳、テーマソング「こころをこめて」を歌う手嶌葵、水谷豊監督が登壇した。
監督デビュー作『TAP -THE LAST SHOW-』(17)も記憶に新しい水谷監督は「60代で、3本映画を撮りたいという思いが僕のなかにはある。1作目が終わり、プロデューサーから『水谷さんのサスペンスが観てみたい』と言われ、その1~2日あとにアイディアが出てきたので、それを話したら『おもしろい』と言ってくれて。そこからわかりやすく文字で書いていき、気がついたら出来あがって本になっていた。誰も止めてくれなかったんです」とおちゃめにコメント。
オーディションで主演を勝ち取った中山と石田は、水谷監督の演出について「ほかの作品ではなかなか見れなかったのが、監督がまず役を演じて見せてくださる。それを見てからリハーサルをするんですが、目の前で水谷さんの芝居を体験できるのがうれしかったです」と興奮しながら話す。また石田は「監督自ら役の動きをしてくれるので、僕はすごく助かって、甘えてた部分もありました」と明かした。
『TAP -THE LAST SHOW-』にも出演し、長年の盟友でもある岸部は、水谷監督の魅力について「真っ直ぐな人。純粋なところがあって、なおかつちょっとそそっかしい。いつも挑戦する人です。俳優が60を過ぎて監督をやってみるなんて、僕だったら絶対にしないので。どんな年になってもいつも挑戦しようとする人、そこが尊敬できるところです」と心から称えると、水谷監督は「ありがとうございます」と恐縮する。
檀も水谷監督について「俳優としてすばらしいし、尊敬していて憧れていましたが、監督としてもすばらしいんです。」と絶賛する。「本当に無駄なカットを撮らない。テイク数も多くないので、あとからカットが足りなくなるんじゃないかと心配したのですが、出来あがりを観たら完璧でした」。
水谷は、監督をしてみて気づいたことがあったそうだ。「本当に役者さんって大変だなということがわかりました。また、監督は全スタッフと打ち合わせができるし、みんなの才能がよく見える。役者をやっている時には気づかなかった。監督をやって良かったなと思いました」と喜びを語った。
取材・文/山崎 伸子