香取慎吾「やっとできた」闇を抱えた男で新境地!白石監督は“ゾクゾクする色気”を絶賛

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香取慎吾「やっとできた」闇を抱えた男で新境地!白石監督は“ゾクゾクする色気”を絶賛

白石和彌監督が香取慎吾を主演に迎えた映画『凪待ち』(6月公開)の完成報告会見が4月23日に東京都内で行われ、香取、白石監督をはじめ、恒松祐里、吉澤健、リリー・フランキー、赤城聡プロデューサーが出席。劇中でどん底に落ちた男を演じ、闇や狂気を表現した香取が「好きな部分をやっとできた」と新境地への喜びを語った。

本作は『孤狼の血』(18)、『麻雀放浪記2020』(19)など次々と話題作を手掛ける白石和彌監督と香取が初のタッグで挑み、『クライマーズハイ』(08)の加藤正人が脚本を手がけたオリジナル作品。石巻市を舞台に、毎日をふらふらと無為に過ごしていた男、郁男(香取)が、やがて取り返しのつかない状況に陥ってしまう姿を描く。

ワクワクするようなタッグがかなったが、香取との仕事は念願だったという白石監督は「初日のファーストシーンからゾクゾクしっぱなし。ゾクゾクを通り越していちいち笑けてくるくらい、香取さんがよかった。たぶん役所(広司)さんとか、それくらいの色気の感じ。すばらしい存在感だと思った。またなにかあれば、本当にお願いしたい」と香取に惚れ込んだことを告白。

香取も「本当にうれしい」と喜びを噛み締め、「監督と僕が組むことによって、あまりいままで見たことのない香取慎吾が見られるかもしれないけれど、人は誰もが狂気や闇の部分を持っていると思う。そっち方向の僕としては、白石作品はすごく好きだった」と白石作品のファンだったことを吐露。「自分のなかでは、香取慎吾として突拍子もないこと、新しいことをやったというよりも、『すごく好きな部分をやっとできた』というほうが強いかもしれません」と新境地への想いを打ち明けた。

記者から「自分のなかの狂気が映しだされているか?」と聞かれると、「あります」ときっぱりと答えた香取。「僕がいままでややらせていただいた役って、いま一緒にいない相手のことを思って走り出すような役。走っているカットがあって、みんながいるところに行って、正義をぶつけちゃう。でも郁男は『お前、ここで走らなきゃ』というところで、必ず誰かの背中に隠れる」と苦笑いで、「それはやったことがなかった。気持ちよかった。そういう人だっているから」としみじみと語っていた。

また、ラジオの構成作家時代から香取と縁があるというリリーは「裏方としてお会いしていた香取さんとこうやって映画でご一緒するのが申し訳なく、照れ臭い」と笑いつつ、「改めて香取慎吾という人のすごさを目の当たりにした。毎日色っぽいなと思っていた」と惚れ惚れ。香取は「そのラジオ、まだやっているんです」と頬を緩めながら、「リリーさんと共演できて本当にうれしかった」と感無量の面持ちを見せていた。

取材・文/成田 おり枝

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