「瞬間的なものだからこそ眩しい!」横浜流星&朝井リョウが『チア男子!!』を語る!<後編>
男子チアリーディングに青春をかける大学生たちの姿を描いた『チア男子!!』(5月10日公開)。前編に続いて、主演の横浜流星&原作・朝井リョウによる対談インタビューをお届け。原作を執筆した当時の朝井の心境や、本作の撮影にかけた横浜の“思い”の強さが語られる!
「(原作は)作家としても青春期に書いた作品」(朝井)
—— 原作が発売されたのは9年前でしたが、当時を振り返って感じることはありますか?
朝井「デビュー2年目、21歳のときに書いたものなので、作家として青春期だったなと感じます。映画を観て、この作品を書いていた頃の、業界のルールなど何も知らずにがむしゃらに書いていた自分を思い出しました。そして、青春スポーツ小説を書くとしても、やっぱり人間関係の歪みを描写することが好きなんだなと脚本の確認作業などを経て改めて実感しました。ちなみに、原作では割と暗いシーンが多いのですが、映像になり、実際の人間がしゃべって動くだけで、全体的に明るさや生命力が宿った感覚がありますね。肉体の力を感じました」
横浜「僕も原作を読んだ時には、晴希に暗い印象を持ちました。なので、最初はちょっと暗めに演じていたのですが、監督から『もっと(テンション)あげて!」という指示がありました」
朝井「原作を読んでいるとそうなると思います、すみません」
横浜「最初の本読みで、晴希が暗い感じだったので、一馬や周りも一緒に暗くなるということもありました(笑)」
—— みんなを元気にさせるチア男子ですよね?
横浜「はい。最初は僕がみんなを引きずっちゃいましたね。原作から“人間関係の深いところまで描かれている”と感じたので、繊細に丁寧に演じたいと思いました」
――晴希を演じるうえで意識したことは?
横浜「笑顔です。チアのときは弾ける笑顔。そして、普段はふにゃふにゃ笑顔です。笑うと目がなくなってしまうので、嫌なんですけど…」
朝井「それがたまらないんですよ!!!(絶叫)」
横浜「いやいやいや。でも、晴希を演じる上では笑顔を意識しましたし、親友の一馬(中尾暢樹)や晴希のお姉ちゃん(清水くるみ)の発する言葉を受け、心の中で消化してから返すというキャラクターなので、笑顔でいながらも気持ちはフラットでいることを心掛けました。相手に対して柔軟に対応できるように、『こう来たら、こう返す』と決めすぎずに、感じたことを素直に返したいと思っていました」
――晴希の素直な感じは画面からすごく伝わって来ました。
横浜「そう見えました?よかったです!」