「瞬間的なものだからこそ眩しい!」横浜流星&朝井リョウが『チア男子!!』を語る!<後編>
「何かに挑戦する方の背中を押せるような作品」(横浜)
――ラストのチアシーンは輝きが最高潮に達していました。こだわりのシーンとのことですが、特に苦労した点はありましたか?
横浜「いつもより気合いを入れて練習して……ケガをしました(笑)。バク転をしたところでケガをしてしまって……。せっかくのラストチアの撮影前にケガをしてしまったのは『情けないな、俺』とちょっと反省しました。気が緩んでいたのかなと。代役を立てることも考えてくださったのですが、これまでの頑張りを見せるところなので、自分で演じ切りたいという気持ちで、痛み止めを飲んでテーピングをして臨みました。『チア男子!!』のDVD特典で、その様子が観られる予定なので、DVD発売の際にはそちらも観てください!映画をまた違った目線で楽しめるかもしれません」
――撮影時のエピソードも青春映画そのものですね。
朝井「痛み止めにテーピング……本当に、大会の優勝チームへのインタビューみたいですね」
横浜「みんなに迷惑かけるのは絶対に嫌だったので」
――そんな裏話ありの迫真の演技を観た感想を教えてください。
朝井「実は、私の知り合いがそのシーンにエキストラで参加していたんです。横浜さんがケガをしたことや、とにかく一日中かかって大変だったという話を聞いていたので、勝手に感慨深い思いで拝見しました。自分の作品は、はっきり目を開けて観ることができないのですが、このシーンでは両手を合わせて『この頑張りをきっかけに、(キャストの)みんなに次々とオファーが来ますように!』と祈るような気持ちでした」
横浜「あはははは(笑)」
朝井「この人、アクションシーンいけるんじゃないか?殺陣もいけるんじゃないか?とかね、いろんな人に思っていただけたら」
――最後に本作の見どころをお願いします!
横浜「スポーツをやってきた方には、きっとどこかに共感してもらえると思います。一人一人何かを抱えながらも前に進んでいくという人間ドラマが丁寧に描かれている作品です。そして何より、チアリーディングのすばらしさを感じていただければと思います。これから何かに挑戦する方の背中を押せるような作品になってくれたらと思っています」
朝井「私の頭の中では、あのチームは原作でいう大会編が終わった後、解散しているんです。心を重ねることができた若者たちの輝き、それは瞬間的なものだからこそ眩しかったりするんですよね。キャストの方々も、この先もしかしたら青春映画にあまり出ないかもしれない。こうして作品の中で競技に挑むこともないかもしれない。そのときしか感じられない若い肉体の輝きに刮目してください!」
取材・文/タナカシノブ