19歳のディカプリオをスコセッシ監督に紹介したのはデ・ニーロだった!トライベッカ映画祭で秘話を披露

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19歳のディカプリオをスコセッシ監督に紹介したのはデ・ニーロだった!トライベッカ映画祭で秘話を披露

ビーコンシアターで行われたマーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロの仲良しトークショー
ビーコンシアターで行われたマーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロの仲良しトークショー[c]Photo by Roy Rochlin-Getty Images for Tribeca Film Festival

ロバート・デ・ニーロらが、2001年の同時多発テロ後のニューヨーク復興のために立ち上げたインディペンデント映画の祭典“トライベッカ映画祭”が18年目を迎え、にぎやかに開催された。

トライベッカ映画祭にはUSナラティブ部門、国際ナラティブ部門、ドキュメンタリー部門のコンペティション部門と観客賞があり、今年の観客賞は、ドキュメンタリー部門では南部を旅するサンフランシスコのゲイ・コーラスグループを描いた、デイヴィッド・チャールズ・ロドリゲス監督による『Gay Chorus Deep South(原題)』、ナラティブ部門では、結婚に対する同調圧力に嫌気がさした友人たちが、カップルを装い結婚式に出席するという、ジェフ・チャン、アンドリュー・ライマー監督によるコメディ『PLUS ONE(原題)』が選ばれた。

特筆すべきは、映画祭主催者の豊富な人脈を活かした周年上映やトークセッション。監督や俳優を迎えた上映企画は、インディペンデント映画に馴染みのない観客にも映画祭の間口を広くしている。今年のトライベッカ映画祭では、『地獄の黙示録:ファイナル・カット(Apocalypse Now: The Final Cut)』(79)の40周年記念上映、『スパイナル・タップ』(84)の35周年記念上映、『セイ・エニシング』(89)の30周年記念上映、『リアリティ・バイツ』(94)の25周年記念上映が行われた。主催者の一人であるロバート・デ・ニーロは盟友のマーティン・スコセッシ監督と共に登壇し、今年Netflixで配信予定の『The Irishman(原題)』まで、9本のタッグ作にまつわる秘話を披露した。デ・ニーロに次ぐスコセッシ作品の常連であるレオナルド・ディカプリオは、『ボーイズ・ライフ』(93)で当時19歳のディカプリオと共演したデ・ニーロが、「衝撃的な俳優だ」とスコセッシに紹介したのが最初だったそうだ。話題に上がったディカプリオは会場の一番前でトークを聴いていて、観客の大拍手を受けて一礼した。

ドキュメンタリー部門観客賞を受賞した『Gay Chorus Deep South(原題)』
ドキュメンタリー部門観客賞を受賞した『Gay Chorus Deep South(原題)』

ロジャー・ロス・ウィリアムズ監督による、アポロシアターのドキュメンタリー『The Apollo(原題)』をオープニング作品に、ビートルズがいなかった世界を描いたダニー・ボイル監督作『YESTERDAY(原題)』のクロージングまで、44か国から集まった111本の長編映画と63本の短編映画が上映された。そのうち40%は女性監督、29%が有色人種監督、13%がLGBTQIAと自認する監督によるもの。こうした数字を発表するのはアメリカの映画祭では定例のようになっていて、より多様性・包摂性をもった業界を目指して変わりつつあるのがわかる。また、今年4月29日に急逝したジョン・シングルトン監督の『ボーイズ‘ン・ザ・フッド』(91)の追悼無料上映会も開催された。

トライベッカ映画祭は、毎年4月末〜5月上旬、日本でいうゴールデンウィーク真っ最中に行われている。多くの監督や俳優の生の声を聞くことができる映画祭に参加するニューヨーク旅行もおすすめだ。

リリー・コリンズ、ザック・エフロン、ラミ・マレックなど映画祭に豪華メンバー集結!
リリー・コリンズ、ザック・エフロン、ラミ・マレックなど映画祭に豪華メンバー集結![c]Photo by Dimitrios Kambouris-Getty Images for Tribeca Film Festival.jpg

取材・文/平井伊都子

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