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『ディパーテッド』のエンディングが再び論議の的に!ファンによるクラウドファンディング活動も!?

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『ディパーテッド』のエンディングが再び論議の的に!ファンによるクラウドファンディング活動も!?

第79回アカデミー賞で作品賞を受賞した『ディパーテッド』(06)が、再びファンの間で、論議の的になっている。これは、同作のエンディングのワンシーンに、どうしても納得がいかない映画ファンのアダム・サックス氏が、クラウドファンディング・サイトの「Kickstarter」で、エンディングに加工を加えることを目的としたキャンペーンを始めたことがきっかけだ。

マーティン・スコセッシが監督し、マット・デイモンとレオナルド・ディカプリオが出演した『ディパーテッド』は、ボストンの暗黒ギャング組織へ潜入捜査する警察と、警官を装うギャング・メンバーが、互いに密告者を見つけようとするサスペンス・ドラマだ。

スコセッシ監督は、自身の作品にカメオ出演したり、ストーリーの展開を示唆するメタファーやフォーシャドーイングを作中に含めることで知られているが、本作には、英語で“潜入者”を意味する“ラット=ネズミ”がラストに登場する。この比喩的描写があからさますぎると、公開されてからファンや評論家の間でも批判されていた。

サックス氏は本作のエンディングからネズミを削除するキャンペーンを2019年2月19日にスタート。3月21日までに4000ドル(約44万円)の資金を集め、映像をCG加工するための機材の購入と、映像技術者の雇用にあてる、という具体的なプランまで発表した。当初は映画ファンが冗談半分で始めたキャンペーンでしかないと思われていたが、メディアで取り上げられたことがきっかけでキャンペーンはバイラル化し、 数日で参加者は80名以上、資金も2000ドル(約22万円)を超えた。

しかしこのキャンペーンは、デジタルミレニアム著作権法に反しているというワーナー・ブラザースの指摘に基づき廃止された。サックス氏本人は自身のTwitterで「残念なお知らせがある」と、キャンペーンが阻止されたことを報告した。

続けてサックス氏は「裁判で争うこともできますが、僕の貯金の残高はワーナー・ブラザースが『アリー/ スター誕生』(公開中)の公開21週目の興収(=70万ドル。やるね!)よりもはるかに少ないのであきらめました」とコメント。続けて『ディパーテッド』の「4K Blu-rayをリリースしてほしい。それにネズミがないバージョンを追加してほしい」とワーナー・ブラザースに訴えかけた。

「くだらない」と批判をうけたこのキャンペーンだが、これがきっかけで13年前に公開された『ディパーテッド』のネズミの描写に納得がいく人、いかない人との間で再び論議がヒートアップしたことは確かだ。何年も前の映画のワンシーンに関して、未だにファンの間で意見が飛び交うこと自体、本作が名作であるという証ではないだろうか。

LA在住/小池かおる

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