「いつだって恐ろしい気分になる」ウィル・スミスが明かす、ジーニー役の難しさとは?
92年の公開当時に全米興収ランキングで8週連続ナンバーワンを獲得し、今なおディズニーアニメーションを代表する1本として語り継がれる名作を、「シャーロック・ホームズ」シリーズなどで知られるガイ・リッチー監督が実写映画化した『アラジン』(6月7日公開)。このたび本作で“ランプの魔人”ジーニーを演じたウィル・スミスが、稀代の人気キャラクターを演じる上で味わった苦労を語ってくれた。
人生を変えたいと願う貧しい青年アラジンと、自由に憧れる王女ジャスミンの身分違いのロマンスと、願いを叶える魔法のランプをめぐる冒険を壮大なスケールで描き出した本作。アニメ版の主題歌として第65回アカデミー賞歌曲賞に輝いた「ホール・ニュー・ワールド」などの名曲や人気キャラクターがスクリーンによみがえることはもちろん、中村倫也と木下晴香らが担当する“プレミアム吹替え版”にも大きな注目が寄せられている。
そんな本作でウィルが演じるジーニーは、主人公のアラジンと友情を育みつつ作品のユーモアパートを牽引する重要なキャラクター。アニメ版でその声を務めていたのは2014年に突然この世を去った名優ロビン・ウィリアムズ。「アイコン的な役を演じるというのは、いつだって恐ろしい気分になるものさ(笑)」とおどけた様子で語るウィルは「いつも“骨のどこかにまだ食べられる肉が残っているかな?”と考えるんだ。でもロビンは、あまり多くの肉を僕に残しておいてくれなかったね」と、すでにキャラクターのイメージが定着したジーニー役を演じることの難しさを明かす。
リッチー監督もアニメ版のジーニーという役柄について「ロビン・ウィリアムズの人物像を誇張したものである」と分析し、実写版でジーニーを演じる俳優にとって、ロビンという存在がひとつの基準になることを語っている。そこでウィルは「ロビンにオマージュを捧げながら、音楽的に異なる何かを伝えることができるのではないか?と自信を持つことにしたんだ」と、自身の歌手としてのキャリアをフルに活かして新しいジーニー像を作り上げたというのだ。
そんなウィルは先日来日を果たし、“マジック・カーペットイベント”とその翌日の最速試写会の舞台挨拶で稀代のエンターテイナーぶりを発揮。イベントではアラン・メンケンのピアノに乗せ、また舞台挨拶では観客からのサプライズに喜びながら、劇中の名曲「フレンド・ライク・ミー」をノリノリなダンスとともに熱唱。サービス精神旺盛なパフォーマンスで日本のファンを大いに沸かせてくれた。
そしてウィルは「この作品は歌とダンス、ドラマ、コメディ、アクションというすべての要素が詰まっている本当に美しい映画。そしてこの映画の中心には人々を幸せにできるという魔法がある」と熱量たっぷりにコメント。『インデペンデンス・デイ』(97)や「MIB」シリーズなど、数々の大ヒット作品に出演し映画ファンのみならず世界中を楽しませてきたウィル。本作で彼がどんな演技を見せてくれるのか、期待に胸をふくらませながら公開の瞬間を待ちたい!
文/久保田 和馬