成田凌の“テラハ愛”炸裂に小松菜奈&門脇麦が困惑!「毎日『テラスハウス』だから…」
小松菜奈と門脇麦が初共演でダブル主演を果たし、解散を決めた人気デュオ“ハルレオ”と付き人のシマの3人が全国7都市を巡る解散ツアーに出る様を描いた青春ロードムービー『さよならくちびる』(公開中)の初日舞台挨拶が31日、TOHOシネマズ新宿にて開催。小松と門脇を筆頭に、劇中で2人が演じる“ハルレオ”と共に旅に出る付き人のシマを演じた成田凌、そして監督・脚本・原案の3役を務めた塩田明彦監督が登壇した。
レオを演じた小松は、本作のためにギターと歌の練習を行なったとのことで「3曲もあったので不安な日々もあった」と吐露し「その中でもこの3人でいる楽しい時間だったり、各地方を回っていく幸せな日々があったので、今日こうして初日を迎えられて素直にうれしいです」と喜びを噛みしめる。一方でハルを演じた門脇も「初日を迎えられたことを感慨深く思います。プロモーションの時に改めて3人で会ったら本当に居心地が良くて。この3人だからこそ作り出せたハル、レオ、シマだったんだと思います」と、撮影を通してキャスト陣の絆が深まったことを感じさせた。
「撮影を振り返って心に残っていることは?」と訊かれた小松は「北海道の最後のライブシーンの空き時間の時に、3人でギターを演奏して歌を歌った時」と、カメラが回っていないリラックスした状態で演奏したことを明かす。「最初のころはなんにもできなかったので、うれしいというか感動して。頑張ってきて良かったなって純粋に思いました」としんみりした表情を浮かべると、成田も「僕と小松さんの初対面がギターの練習をした時だったので、同じ苦しみを味わっている。とても感動しました」と万感の想いを込めて語った。
劇中には3曲のオリジナル曲が登場し、それをキャスト陣が自らの演奏と歌声で披露している。それについて塩田監督は「ギターを弾けない人たちに弾いて歌えってことを命じたので、いろんな悲鳴が聞こえてきた」と笑顔で振り返り、「1曲減らそうかなと思う瞬間があったのですが、ここで挫けてしまったら映画の出来に影響する」と厳しく向き合ったことを明かす。すると成田からは「僕が『簡単にできますか?』って注文したら難しくなって返ってきました」とのタレコミも。
さらにライブシーンの撮影方法について塩田監督は「どうやって撮っていこうかなと考えて、僕が結論として選んだのはハルとレオとシマがそれぞれ歌いながら心を通わしたり反発し会ったり共感したりエモーションを投げ合う。これは歌のシーンであると同時に芝居のシーンだと思って、歌詞をセリフをしゃべってるように撮ればいいと思った」と明かし「小松さんがインタビューで『セリフを言うように歌えば歌いやすくなった』と言っているのを聞いて、思いは同じだったんだなと思いました」と笑顔で語った。
音楽に加えて、3人が織りなす不器用な三角関係が見どころでもある本作。「わかりやすい三角関係じゃないけど、いろんな思いがあって。大事すぎるから難しいってあるんだろうなって。3人とも不器用で、もどかしくもあると同時に愛おしいです」とその魅力を語る門脇。それを受けて成田が「『さよならくちびる』の中にハルが想ってることは書いてあってり、すごい不器用で…」と語り始めたと思いきや「最近僕『テラスハウス』を毎日見てるんですけど…」と突然話が切り替わり場内からは笑いが巻き起こる。
そして「女性2人と男1人の関係性を描く映画って意外となくて、すごい特殊だったんです。『テラスハウス』でも2対1になるとよくないんですけど、僕らは1対1対1で戦っていて、その中の感情みたいな言葉が説明的じゃなく、伝わってくるんです」と熱弁。我に返った成田は「1対1対1の面白さを伝えたくて…すいません。毎日『テラスハウス』だから…」と反省し、なんとか「特殊な愛情」と形容して話をまとめる。その様子に小松も門脇も困惑の表情を浮かべながら、笑いを堪えきれずにいた。
取材・文/久保田 和馬