一般人なのに強すぎ!?“復讐おじさん”リーアム・ニーソンのお仕事が超荒っぽい!
『96時間』シリーズなど、無敵のオヤジを演じさせたら、いまや右に出る者はいないアクション俳優と化した(感のある)リーアム・ニーソン。そんな彼が、またも復讐に燃える父親を演じる『スノー・ロワイヤル』(公開中)でも、荒業が炸裂している!
本作は、冬はリゾート地として賑わうとあるアメリカの豪雪地帯の田舎町を舞台に、息子を人違いで地元の麻薬王に殺されてしまった善良な除雪作業員ネルズ・コックスマン(ニーソン)が、組織に対し復讐をしていくという物語。これまでのニーソンが演じてきた役柄と大きく異なるのは、ネルズは元特殊工作員でもなく、裏社会にも通じていないというところ。それゆえに、事件は勘違いに勘違いを呼び、どんどん思わぬ方向へと転がっていく…。
何も特別な殺しのスキルを持っていないが、膨れ上がった復讐心と執念だけを武器に、下っ端から組織に近づいていくネルズ。ただの除雪員だと思い、銃をチラつかせればビビるだろうとナメているチンピラを、力まかせにタコ殴りにして、あの世送りに。また、バレルとストック部分をのこぎりで削ぎ落としてサイズダウンした銃をジャケットの内側に忍ばせ、不意撃ちするのかと思いきや、それで相手の顔面を殴り、命乞いしてくるところでぶっ放したりと、荒削りかつ感情まかせの手段で、一人また一人と、組織のボスへと近づいていく。
さらに、犯罪小説で学んだ殺しの知識を駆使し、腐乱ガスで浮かび上がってこないように死体を金網でぐるぐる巻きにしてから滝へと投げ込むという処理を施したかと思えば、除雪作業車で殺した敵の車を雪の中に跳ね飛ばすだけという雑すぎる後処理や、伐採用の重機を用い、車に逃げ込んだ敵を車ごと木で串刺しにするという大胆すぎる殺害方法など、緻密なんだか大胆なんだかよくわからない、行き当たりばったりの行動を連発していくのだ。
もはや一般人であろうと関係なしの、説明不要の強さを誇っていながらも、スマートさゼロというニーソンのちょっぴり新鮮な一面も見れる本作。ねじれにねじれた話の結末も気になるが、ニーソンの暴れっぷりだけでも十分お腹いっぱいになれるぞ!
文/トライワークス