見どころは“佐藤二朗を探せ”!?「このミス」大賞の関連作がドラマシリーズ化!
動画配信サービスのU-NEXTとカンテレがタッグを組み、宝島社の「このミステリーがすごい!」大賞の関連作品から5作品を選定してドラマシリーズ化する「『このミス』大賞ドラマシリーズ」のラインナップ発表記者会見が10日に都内で行われ、第1弾作品から第3弾作品で主演を務める佐久間由衣、阿部進之介、小関裕太の3名と、第5弾作品を決める第18回「このミステリーがすごい!」大賞U-NEXT・カンテレ賞の特別審査員を務める佐藤二朗が登壇した。
新たな時代のミステリー&エンタテインメント作家・作品の発掘と育成を目的に、2002年に創設された新人賞「このミステリーがすごい!」大賞ではこれまで、のちに映画化され大きな話題を博した『孤狼の血』(18)の原作者である柚月裕子や、「チーム・バチスタ」シリーズなどを生みだした海堂尊らを輩出。今回の「『このミス』大賞ドラマシリーズ」では、第16回までの関連作品から3作品、ドラマ化を前提に昨年創設されたU-NEXT・カンテレ賞受賞作の2作品の計5作品を、1話30分全8話でドラマ化していく。
第1弾作品は第13回の最終選考まで残り、2015年に文庫化された山本巧次の「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう」を原作にしたタイムトラベルミステリー「時空探偵おゆう 大江戸科学捜査」。主演を務める佐久間は「自分の身ひとつで現代と江戸を行ったり来たりして、一つの作品の中でまったく違う世界観が作られていて、両方楽しめるのが贅沢。現代では冴えなくて、なにをやってもうまくいかない主人公が、江戸時代でいろんな出来事を乗り越えて成長していくお話でもあります」と見どころを語る。
第2弾作品は昨年のU-NEXT・カンテレ賞を受賞した登美丘丈の「その男、女衒」を原作にしたダークな復讐劇「名もなき復讐者 ZEGEN」。台本を読んだ時の印象について阿部は「ハードでした。一気に全話読んで、自然と泣いてしまいました」と告白。「脚本を読んですぐに自分の中に反応がある作品だったので、自分が共感しやすい役なんだと思いました」と述べ、これから撮影に入るにあたり「愛情を求めて生きている人間が、愛情を求めるゆえに人に愛情を与えていく。その愛が観ている人に伝われば嬉しいです」とコメントした。
そして七尾与史の同名小説を原作にした第3弾作品「死亡フラグが立ちました!」で主演を務める小関裕太は、ユーモラスなジェットコースター展開が待ち受けている同作について「自分が演じる陣内はコメディ色が強くなく、周りの人がとにかくおもしろい。なので僕自身はおもしろくやらなくていいので、ちょっとホッとしています」と笑顔で語ると「都市伝説ライターという役柄は初めてで、しかもイケてない。どういう感じなんだろう?と探りながら役を作っていく過程が楽しいと思っています」と目を輝かせていた。
そんななか、第5弾作品を決める10月発表の第18回「このミステリーがすごい!」大賞のU-NEXT・カンテレ賞の特別審査員に抜擢され、受賞作のドラマ化にあたってクリエイターとして参加するという佐藤は「なんで俺に?って思ったんですけど、まだ世に出ていない原作を選ぶというのは、いままでやったことがない。50歳になってやったことのないことをやるというのは、おもしろいと思ってお引き受けしました」と特別審査員抜擢の経緯を振り返り、「どうドラマ化していくのかが興味があるので、なにかの形で関われないかと思った。どういう形で関わるかは、今後プロデューサーの方々と相談しています」と語る。
さらに佐藤は、今回ドラマ化される5作品すべてに特別出演を果たすとのことで「僕は役者なので、役者としての関わりもあったほうがいいと思って」とその理由を明かす。「どういう出方になるかはわからないですけど、視聴者の方々にはタイプの違う5作品のたくさんある楽しみ方の一つとして、佐藤二朗を探していただきたい」とコメント。すでに撮影を終えている「時空探偵おゆう」ではワンシーンだけ登場しているとのことで、ほかの作品での出演シーンについてはこれから決めていくことになるという。すると小関は「暗殺者の“死神”が佐藤さんだったら楽しいです!」とおねだり。佐藤は間髪入れずに「それがっつりキャストだからね!」とツッコミを入れていた。
なお、第4弾作品となる中山七里原作の「連続殺人鬼カエル男」の主演は未定となっている。「『このミス』大賞ドラマシリーズ」は7月4日(木)から毎週木曜日24時25分〜24時55分にシリーズ連続放送(関西ローカル)。地上波放送終了後にU-NEXTにて独占配信がスタートする。
取材・文/久保田 和馬