『漫才ギャング』完成報告で品川ヒロシ監督「まさにベストのキャスティング!」
『ドロップ』(09)に続く品川ヒロシ監督の第2弾となる『漫才ギャング』(2011年3月19日公開)。お笑いの頂点を目指す男たちのドラマが展開する本作に出演する佐藤隆太、上地雄輔、綾部祐二らキャストが、監督の品川ヒロシと共に完成披露会見を行った。
結成10年目にもかかわらず、一向に売れないお笑いコンビ「ブラックストーン」。相方・保(綾部祐二)から解散を告げられ、自暴自棄になった飛夫(佐藤隆太)は、トラブルに巻き込まれて留置場に送られてしまう。そこでストリートギャングと乱闘の末、留置所へ送られてきた龍平(上地雄輔)と出会う。ドレッドヘアーにタトゥーだらけの龍平に、初めはびびる飛夫だったが、彼の突っ込みの才能に気づいた飛夫は、龍平にお笑いコンビ「ドラゴンフライ」を組むことを提案する。
佐藤隆太は、「漫才という難しいお芝居に不安もあって、なりきれているのか心配でしたが、完成してほっとしています。品川監督は、想像以上の監督ぶりで、常に大丈夫だ!と背中を押してくれた。『カット!』『OK!』の監督の声が気持ち良くて、この監督についていけば良い作品になると思いました」と品川の監督としての手腕を熱く語った。
佐藤の相方を演じた上地雄輔は、ドレッドヘアーにタトゥーというスタイルで派手はアクションを繰り広げる。「ドレッドは、ストレス以外の何物でもなかったです。寝ている時もムカデと一緒のようだったし、洗っても2、3時間乾かなくて、2ヶ月の間で頭を洗ったのは2回くらい。香水をいっぱいつけましたけど、最後の方は何のにおいなのかわからないような状態でした。でも映画の仕上がりを見て、本当にやって良かったなと思える作品でした」と撮影当時の苦労を振り返った。
監督の品川ヒロシは、「まだ台本もない中で、隆太くんと一緒に食事をした帰り、隆太くんが『これから公園でマネジャーとネタ合わせしてきます!』と言って帰って行った。演出もまだ何も決まってない中で、そんな気持ちを持ってくれるなんて、すごい役者だなと思いました。その反面、バカなんじゃないかなと思いましたけど(笑)」と佐藤の力の入れ様に、監督自身も驚いていた。
一方、上地については「雄輔には今回、アクションシーンがいっぱいある。テストで僕が蹴られてみて、雄輔を何も言えない状況に追い込んだ。そのほかにエピソードは特にないんですがバカです(笑)。隆太くんと雄輔が、役に向かっていく過程を見せてもらい、感動しました。まさにベストキャスティングだと思います!」と力強く語った。
『ドロップ』に続き、品川作品に出演するピースの綾部祐二。今月26日(日)には、日本中のお笑いファンが注目するM-1の出場を控えている。品川は、「僕が出場した時は4位だった。だから僕らよりも上位でも下でもなんなので、4位になってほしい」と微妙な応援コメントを送った。
また、主題歌はSuperflyが歌う主題歌「Beep!!」に決定。品川は原作小説を書いている頃から「Superflyさんにお願いしたいと思っていました。この映画は『ドロップ』よりもポップな作品にしたかったので」と主題歌起用の理由を明かした。一方、上地が飛夫の気持ちを考えて作ったという挿入歌も注目だ。
最後に品川が、「コメディーというより、友情や夢が詰まった作品。30歳前後って色々と悩む時期があったりすると思うんですけど、映画ではそれがたまたま笑いだった。皆さんに共感してもらえる作品になっていると思います」と満足気な表情で作品をアピールした。
佐藤隆太演じる主人公・飛夫の恋人役を石原さとみが務めるなど、品川が「身内で固めたいタイプなので」と話すキャスティングには、『ドロップ』に登場した成宮寛貴や、河本準一、大森美幸、フルーツポンチなど、ファン必見の顔ぶれがそろう。その物語の内容は、不良少年たちの青春を描いた『ドロップ』よりも、大人の夢と再起をかけたエネルギーにあふれた作品になっているだろう。2011年3月19日の公開日までしばしお待ちを!【取材・文/鈴木菜保美】