俺様な秀才、王子系の幼なじみ、頼れるお兄ちゃん…『ホットギミック』で“ガールミーツボーイ”する男子たち
自分に自信が持てない女子高生と、彼女を取り巻く男性たちとの関係を描いた公開中の青春ドラマ『ホットギミック ガールミーツボーイ』。若手ながら注目の映画を彩ってきた清水尋也、板垣瑞生、間宮祥太朗がタイプの違う男性キャラクターに扮した本作から、それぞれの麗しの姿をチェックしていきたい!
相原実貴の人気コミック「ホットギミック」を、山戸結希監督が実写化した本作。みずみずしくも危うさを帯びた山戸らしい世界観のもと、物語がつづられていく。男女の青春模様を描いた前作『溺れるナイフ』(16)でも同様に、若さゆえに繊細な登場人物たちを美しい映像で紡いだ彼女。特に菅田将暉、重岡大毅が演じる男性キャラたちのさわやかながら色気も感じられる艶っぽさは、劇場に足を運んだ女性たちを虜にした。
今作『ホットギミック ガールミーツボーイ』でも、そんな山戸監督の巧みな演出力は健在。ヒロインをとり巻く男性たちを、『ソロモンの偽証 前後篇』(15)で共にキーパーソンを演じた清水、板垣と、『翔んで埼玉』(19)のヒットも記憶に新しい間宮が演じ、それぞれ魅惑的な人物として描かれている。
主人公・初(堀未央奈)の幼なじみ・亮輝(清水)は、進学校に通う秀才で、彼女の弱みを握り支配しようとする上から目線の男。「今ここで俺にキスしろ」など、ドSな言動で初を翻弄していく。しかし「俺の奴隷のくせに他のヤツの名前ばっか呼ぶなよ」とムキになる一面もあり、その不器用な姿に思わず母性本能をくすぐられてしまうかも。
そんな亮輝との関係に困惑していた初の前に現れるのが、小学生の時に突然転校してしまった幼なじみで人気モデルの梓(板垣)だ。じっと目を見つめながら「大切なんだ」と甘い言葉をかけてくる姿は余裕にあふれており、どこか王子様のような甘美さを感じさせる。亮輝から遠ざけて守ってくれる彼に初も惹かれていくのだが、実はある目的を抱えており…。
梓に裏切られ、傷ついた初に寄り添い変わらぬ愛情を注いでくれるのが兄の凌(間宮)だ。頼れる兄として頭をポンっとなでたりと優しく振る舞う姿には思わずキュンとしてしまう。そんな凌も知られざる秘密を抱いていて、“叶わぬ恋”に思いを巡らす複雑な表情がなんともせつなすぎる…。同時にそこはかとなく“大人の色気”も漂っており、そんな彼の姿は観る人の心を奪ってしまうことだろう。
三者三様の男性陣を、山戸監督が美しく魅惑的に映しだした本作。彼らの見せる表情や仕草の1つ1つを、ぜひスクリーンで堪能してほしい。
文/トライワークス