映画史に残る名作からデヴィッド・ボウイ初主演作まで!4K修復で鮮やかによみがえる
毎月世界中の様々な名作・秀作をパッケージ化している「KADOKAWA洋画セレクション」から、8月2日(金)にキャロル・リード監督の『第三の男』(49)が、9月6日(金)にニコラス・ローグ監督の『赤い影』(73)と『地球に落ちて来た男』(76)が、それぞれ4K修復版として初めてBlu-rayでパッケージ化されることが決定した。
60年代に日米合作映画にも出演した名優ジョゼフ・コットンと、映画監督としても後世に多大なる影響を与えた映画人オーソン・ウェルズ、そしてアルフレッド・ヒッチコック監督やダリオ・アリジェント監督など世界の名だたる名監督たちに愛された女優アリダ・ヴァリが共演した『第三の男』は、これまで幾度となく発表された「映画オールタイム・ベスト」で常に上位に名を連ねるサスペンス映画史に残る名作。
第23回アカデミー賞では、その年の主要部門を席巻した『イヴの総て』(49)をおさえ、ロバート・クラスカーが最優秀撮影賞(白黒部門)を受賞。ウェルズ演じるハリー・ライムが建物の陰から姿を現す有名なシーンをはじめとした陰影深い映像や、あまりにも美しいラストシーンなど、目に焼き付いて離れないシーンの数々が4K修復版ではより鮮明に映し出されている。また、今回発売されるBlu-rayには71年に放送された貴重なテレビ吹替版も収録されているので、そちらも見逃せない。
そして『地球に落ちて来た男』は、2016年にこの世を去ったデヴィッド・ボウイの初主演作となったSF作品。ボウイが放つアバンギャルドな魅力と、ローグが生み出すスタイリッシュでありながらどこか不気味な世界観が絶妙な化学反応を起こす唯一無二の傑作だ。本作も、Blu-rayには81年に初回放映されたテレビ吹替版が初収録される。
さらにヒッチコック監督の『レベッカ』(40)や『鳥』(63)の原作者としても知られるダフネ・デュ・モーリアの小説を映画化し、70年代屈指の“トラウマ映画”として語り継がれるオカルト・サスペンス『赤い影』も、4K修復されたことによりその美しく不穏な雰囲気が倍増。最高の状態によみがえった珠玉の名作たちを、是非ともこの機会にコレクションに加えてみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬