峯田和伸、銀杏BOYZの世界描く映画『いちごの唄』で“恋の古傷”痛み「キツかった」
脚本家の岡田惠和と「銀杏BOYZ」の峯田和伸による同名小説を映画化した『いちごの唄』の公開記念舞台挨拶が7月6日に新宿ピカデリーで開催され、古舘佑太郎、石橋静河、光石研、蒔田彩珠、峯田和伸、宮本信子、菅原伸太郎監督が登壇。峯田が「原作から始まって約3年。出産を終えた気持ちです」と公開を迎えた感慨を告白。完成作を観て初めて付き合った人を思い出したといい、「キツかった」と恋の古傷が痛んだことを明かした。
「銀杏BOYZ」の楽曲をイメージソースに、中学時代の親友の命日である七夕にだけ会うことを許された男女のせつない恋模様を描く本作。
主人公たちが環七通りを散歩する姿が映しだされるが、光石は「環七をこんなに色っぽく、セクシーに、まるで天の川のように撮った映画はない」と劇中の環七通りの美しさを絶賛。峯田は「僕もフラれたり、彼女とケンカして『これ別れるわ』と思いながら、新曲の歌詞を考えながら歩いていた」と環七通りに思い出がたくさんあるそうで、「こうやって映画のワンシーンになって、きれいな映像として映っているのを見ると、そういう気持ちも報われたなという気がする」としみじみとしながら、「初めて付き合った人が高円寺に住んでいて。あそこで手をつないだなとか思い出した。観ていてキツかったです」と赤裸々に語り、会場を笑わせていた。
峯田の分身とも言える、不器用ながら心優しい主人公のコウタを演じた古舘は、ドラマ「101回目のプロポーズ」を参考に役作りしたという。「役を演じているのか、自分でいるのかわからないくらい、一生懸命にやっていた」と撮影を振り返り、「今日も共演者の皆さんから『爆発して、コウタで行け』って言われたんですが、僕、案外、まじめなんですよね。まともなまじめな人間なんで」と躊躇してしまっている様子。「そういう意味では、あの時は(コウタを)演じるということができたのかなと思う」と自信をのぞかせていた。
取材・文/成田 おり枝