アカデミー賞ノミネート予測 監督賞編
1月10日、第63回全米監督組合賞のノミネートが発表になり、『ソーシャル・ネットワーク』(1月15日公開)のデヴィッド・フィンチャー監督、『ブラック・スワン』(今春公開予定)のダレン・アロノフスキー監督、『英国王のスピーチ』(2月26日公開)のトム・フーパー監督、『ザ・ファイター』(3月26日公開)のデヴィッド・O・ラッセル監督、『インセプション』(10)のクリストファー・ノーラン監督の5人がノミネートされた。同組合賞が1948年に始まって以来、同賞を受賞しながらアカデミー賞監督賞を受賞しなかったのは監督は6人だけとあって、この5人が1月25日(火)に発表されるアカデミーにノミネートされる確率はかなり高い。しかし、今年はゴールデングローブ賞とアカデミー賞のノミネートにもかなりの違いが見られる可能性が高く、まだまだ混戦模様だ。Deadline.comが、アカデミー賞に絡んできそうな監督をピックアップした。まずは『ザ・タウン』(2月5日公開)のベン・アフレック監督。ジェニファー・ロペスと交際、そして破局後は役者としては葬り去られた感があるベンだが、監督としての評価は高く、クリストファー・ノーラン監督が自らプロデュースを務める『Superman:Man of Steel』(全米2012年12月公開予定)の監督の第一候補にベンを希望したというのがもっぱらの噂。“未来のクリント・イーストウッド”と言われるほどの手腕をアカデミー会員が見逃すわけがないが、今回ボストンの映画が好きな同会員の趣向が『The Fighter』に傾いているのが気になるところ。
『スラムドッグ$ミリオネア』(08)で同監督賞を受賞した『127 Hours』(日本公開予定)のダニー・ボイル監督や、『ロスト・イン・トランスレーション』(03)で同監督賞を受賞した『SOMEWHERE』(4月2日公開)のソフィア・コッポラ監督、そして公開が年末だったせいか、ゴールデングローブ賞では総スカンを食らった『トゥルー・グリッド』(3月18日公開)は西部劇にもかかわらず、年明けから興行成績も順調な伸びを示しており、『ノーカントリー』(07)で同監督賞を受賞したコーエン兄弟が再びその栄冠を手にする可能性も高い。
ほかには、同賞監督賞の受賞経験がある『ヒア・アフター』(2月19日公開)のクリント・イーストウッド監督や『Ghost Writer』(日本公開未定)のロマン・ポランスキー監督、『シャター・アイランド』(10)のマーティン・スコセッシ監督、『ウォール・ストリート』(2月4日公開)のオリバー・ストーン監督の名が挙がっている一方で、作品賞や役者にスポットライトが当たっている『トイ・ストーリー3』(10)のリー・アンクリッチ監督、『キッズ・オーライト』(GW公開予定)のリサ・チョロデンコ監督、『ブルーバレンタイン』(4月下旬公開予定)のデレク・シアンフランセ監督、『Winter's Bone』(日本公開未定)のデブラ・グラニック監督、『Biutiful』(初夏公開予定)のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督らがノミネートされる可能性も十分に残っている。【NY在住/JUNKO】