オムツ装着でベッドの下に…高良健吾扮する“狂気のストーカー男”がヤバすぎる!
『蛇にピアス』(08)での顔面にピアスを開けまくったパンキッシュな青年から『横道世之介』(13)で演じた明るいお人好しの大学生まで、どんな役でも見事にこなすカメレオン俳優として、映画に引っ張りだこの高良健吾。そんな彼が公開中の『アンダー・ユア・ベッド』では、狂気のストーカー男を演じている。
大石圭の同名小説を原作に、クリエイターたちの感性を爆発させたエッジの効いた作品を発信していくKADOKAWAの“ハイテンション・ムービー・プロジェクト”の1作として安里麻里監督の手によって映画化された本作。親、学校のクラスメイト、誰からも名前すら覚えられたことのない男、三井直人(高良健吾)は、11年前の大学の講義中に「三井くん」と自分の名前を呼んでくれた女性、千尋(西川可奈子)と過ごした人生唯一の幸せな時間をふと思い出し、彼女を捜すことに…。
彼女に近づくためならなんでもする三井。彼女の自宅を探し出すと、近くにいれるようにと近所に引っ越し、昔に交わした会話にちなんで観賞魚店をオープン。さらに勝手に家の合鍵を作りベッドの下に盗聴器を仕掛けたり、窓越しに望遠レンズで彼女を撮影し、並べて壁一面になるほどの大きな彼女の写真を作ったりと、ゴリゴリの犯罪行為を実行。
それだけでは飽き足らず、さらに彼女のベッドで匂いをかぎながら股間をまさぐったり、オムツを装着してベッドの下に潜り込んで夫婦の情事で揺れるベッドの感触を触ったり、マネキンに彼女の格好をさせて…と想像するだけでゾッとするような行動を連発していくのだ。
そんな三井を静かな感情の起伏で演じている高良。揺れるベッドをじっと見つめたりと常に表情はうつろだが、彼女のベッドに潜り込んだ時はその匂いを堪能するかのように目を閉じたり、確実に内面から快楽が漏れ伝っているかのような姿は説得力抜群。それでいてどこか純粋すぎて神々しさすら感じさせるような狂気の表情はさすがの一言だ。
一歩間違えれば、ただの変態になりかねない狂ったストーカー役でも、さすがの表現力を見せつけている高良健吾の圧巻の演技は必見だ。
文/トライワークス