小栗旬、『人間失格』の太宰治役で「嫌いにならないでください」と笑顔
天才作家・太宰治のスキャンダラスな恋と人生を大胆に映画化した『人間失格 太宰治と3人の女たち』(9月13日公開)のジャパンプレミアが、7月25日に丸の内ピカデリーで開催。小栗旬、沢尻エリカ、二階堂ふみ、成田凌、蜷川実花監督が舞台挨拶に登壇した。才能に溢れる愛すべきダメ男、太宰治役を演じた小栗は「自信を持っておもしろいと言ってもらえる映画になっていると思います。嫌いにならないでください」とおちゃめにアピールした。
本作は、太宰治が死の直前に完成させた「人間失格」の誕生秘話を、太宰自身と彼を愛した3人の女たちの目線から描く禁断の人間ドラマ。蜷川監督は構想に7年を費やしたと言う。「実は『人間失格』を映画化しないかと言われたけど、(3人の女性が残した手記を見たら)太宰本人が相当おもしろくて。これはオリジナルで作ってみたいと思いました。また、太宰役は絶対、小栗くんしかいないと思ってオファーしました」。
それを受けて小栗は「『うれしかったです』でいいのかな?」と苦笑い。小栗は脚本がすばらしかったと絶賛し「これをやらなかったら役者としてどうなんだろう?と思ったので、参加させてもらって良かったです」と笑顔を見せた。
小栗は「太宰は、いろんな人を裏切っていくので。それが積み重なっていくと、現場でしんどくなっていって。特に家族と一緒にいると…。2人の子ども(子役)がとってもかわいくて」と太宰役の苦労についても吐露した。
太宰と不倫をする太田静子役の沢尻は「自分の感情に貪欲な女性を演じたので、楽しかったです」と満面の笑みを見せる。
太宰と心中する山崎富栄役の二階堂は「じめじめしていたかなと。でも、小栗さん演じる修治さんが圧倒的で、現場に現れるだけで空気が変わるような存在感でしたので、身をゆだねながら、あとは、実花さんにご指導いただきながら、現場で生きていたと思います」と現場の感想を述べた。
最後に蜷川監督も「みんなのエネルギーがぎゅっと詰まったおもしろい映画になったと思います」と手応えを口にした。
取材・文/山崎 伸子