泣く者が続出するほど厳しい園子温監督の指導に、神楽坂恵「地獄でした」
人間の狂気と極限の愛を描いた恐怖映画『冷たい熱帯魚』(公開中)の初日舞台挨拶が1月29日、テアトル新宿で行われ、出演者の吹越満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵、梶原ひかり、渡辺哲と、園子温監督が登壇した。
主役の吹越は、出演のいきさつを問われ、「たまたま喫茶店で園監督にお会いして、その場でお声をかけていただいたのがきっかけです。その時はまさか主役だとは思っていなかったので、脚本を読んだ時は驚きましたね。今までとは違う役柄でしたし、園監督とはもう一度、一緒にお仕事させていただきたいと思っていたので『やるしかない!』と思いました」と明かした。前日は、緊張でなかなか眠れなかったという園監督は、無事に初日を迎え「この作品は当たりくじです」と、自ら太鼓判を押した。極悪人を演じたでんでんは「気持ち良かったです。吹越さんとの殴り合いのシーンでは、本当に血を流したりして大変でした。村田(でんでんの役)を演じている時は、何をしても許されるんじゃないかと思い込んでいました」と心情を吐露した。
ものすごく緊張しているという吹越は、撮影現場の雰囲気について「人間はバランスを取ろうとする生き物なので、作品の内容が過激になるほど現場では笑いが絶えませんでした。梶原さんや黒沢さんは、鼻血が出たり、青あざができたりと、本当に体を張ってお芝居しています」と振り返った。撮影前に園監督の厳しい指導を受けた、神楽坂と梶原は当時を振り返り、「泣きましたし、地獄でしたね(笑)。ただ、負けず嫌いなので、追い込まれることで、色々な面を引き出していただいたと思います」(神楽坂)、「私も泣きました。『このままでは現場に連れていけない』と監督に言われてしまいましたが、今日無事にこの場に立てて嬉しいです」(梶原)とエピソードを披露。今作が女優として集大成となる作品だという黒沢は、「30代を無駄なく駆け抜けました。育児をしていたということもあり、カメラの前に立つことや監督から指導を受けることに不安を感じましたが、リハーサルでしっかり指導してくださったので、本番では安心して撮影に挑むことができたと思います」と感謝を述べた。園監督の印象を渡辺は「撮影中も監督は色々アイデアを出していて、頭の中がどうなっているのか見てみたいです。本当に面白い監督だと思います」と語った。【Movie Walker】