熱い言葉が胸を打つ!屈指の名セリフで振り返る「コード・ブルー」
これまで多くの人の心を震わせ、根強い人気を獲得してきた「コード・ブルー」シリーズ。その劇場版として、2018年に公開された『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』が、Amazon Prime Videoにて独占配信されている。今回は、劇中の名セリフをその場面と共に振り返ろうと思う。
「ドクターヘリでは1つのミスも許されない」(黒田脩二)
「ドクターヘリでは1つのミスも許されない。限られた機材、限られた時間で瀕死の患者を救いだす。ミスは即、患者の死だ。その重圧に耐えられる精神力を持った者とその腕を持った者だけが、ヘリに乗る資格がある」
ファーストシーズンの第1話で、フェローたちに向かってベテランドクターの黒田(柳葉敏郎)が放ったこの言葉は、「コード・ブルー」を語るうえで欠くことのできない名セリフの1つだ。放送開始当時、まだ認知度も普及度も低かったドクターヘリ。その仕事が一体どのようなものなのか、そこで働く人たちには何が求められているのか。常に重いプレッシャーがのしかかる、リアルな医療現場を視聴者に気づかせた。
「たぶん現場にしかない」(黒田脩二)
「その答えは、たぶん現場にしかない」
フライトドクターフェローの藍沢耕作(山下智久)や白石恵(新垣結衣)は、ファーストシーズン8話のある出来事をきっかけに、フライトドクターを続けていく自信を失いかける。黒田のこのセリフは、これまで迷いなくドクターヘリを目指してきたものの「名医とは何か」がわからなくなってきたと話す藍沢に投げかけられた言葉。このセリフをはじめ、本シリーズでの黒田の一言ひとことは、フェローたちを成長させ、視聴者の心にも強く響いてくるものが多い。
「私たちは一歩前に踏み出したい。ダメな自分と一緒に」(白石恵)
「自分探しで見つかるのは、大抵は嫌になるようなみじめな自分。が、そんな自分と向き合って愕然として立ち止まるか、一歩進むかもまた自分次第だ。向いている方向が前なのか、それすらも確かではないけれど、私たちは一歩前に踏み出したい。ダメな自分と一緒に」
セカンドシーズンでは、フライトドクターを目指してから1年3か月が経ち、それぞれが経験を積んだ藍沢たちの姿が描かれた。脳腫瘍が見つかった男性とその妻に、手術と放射線治療の2択を説明する白石。その際に、白石は記憶喪失の恐れがあるが確実に腫瘍を切除できる手術を選ぶように薦め患者も手術を決意するが、看護師の冴島はるか(比嘉愛未)に「変わりましたね。前はもっと温かみがあった」と言われてしまう。ドクターとして正しいことをしたつもりでも、それが本当に患者のためになっていたのかはわからない。それでも、最善を尽くして前を進むだけだと決意する、白石の強い意志が見られる言葉だ。
「人は結果でしかものを見ない」(緋山美帆子)
「結果より、努力する過程が大事だ。そんなこと真っ赤な嘘だと、大人になって、人は気づく。人は結果でしかものを見ない」
日々、現場で命を救うために奮闘しているものの、時として救えない命も当然ある。同じ処置をし、全力を尽くすことには変わらずとも“生”か“死”のどちらの結果になるかということで、世間や患者、その家族からの評価が変わるのが医者の世知辛さだ。セカンドシーズン7話で、フライトドクターフェローの緋山(戸田恵梨香)はその難しさにぶつかることになる。果たして、緋山はこの試練を乗り越えられるのか、その行方にも注目してほしい。
「ここで患者を救うのか。決めるのはお前だ」(藍沢耕作)
「病院に戻ってから嘆くのか、ここでその患者を救うのか。決めるのはお前だ」
ファーストシーズンから9年の時を経て放送されたサードシーズンは、新たに加わった新人のフライトドクターたちを指導する藍沢たちの姿が見どころだ。彼らは後輩たちに自分たちのフェロー時代の姿を重ねながら、フェローたちに医者としての自覚を持たせようと指導を重ねる。このセリフは6話で、いざ現場で患者を前にし、怖気づいてしまった灰谷俊平(成田凌)に藍沢が喝を入れた言葉だ。また、このセリフの後に灰谷が藍沢に返答する場面は、多くの視聴者に感動を与えるシリーズのなかでも特に印象的なシーン。藍沢たちメンバーは、若い仲間と共に奮闘していくことになる。
今回紹介したセリフのほか、ここでは紹介しきれないほど各話に名セリフが散りばめられている「コード・ブルー」シリーズ。ぜひ現在配信されている劇場版のなかからも、あなたなりの名場面、名セリフを見つけてみてはいかがだろうか?
文/於ありさ