三浦春馬「運命かなあ…」多部未華子との4年に1度の共演に「オリンピックみたいな関係」

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三浦春馬「運命かなあ…」多部未華子との4年に1度の共演に「オリンピックみたいな関係」

『愛がなんだ』(公開中)など恋愛群像劇の名手として知られる今泉力哉監督が、人気作家の伊坂幸太郎にとって初の恋愛小説となった同名連作短編集を映画化した『アイネクライネナハトムジーク』(9月20日公開)の完成披露上映会が21日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。三浦春馬、多部未華子、矢本悠馬、森絵梨佳、恒松祐里、萩原利久、貫地谷しほり、原田泰造、今泉監督が上映前の舞台挨拶に登壇した。

全編仙台と宮城県内でロケが行われた本作は、劇的な出会いを持つ会社員の佐藤(三浦)と彼が偶然出会う女性・本間紗季(多部)の恋を軸に、不器用ながらも愛すべき人々の思いがけない巡り会いの連鎖が10年にわたって描かれていくラブストーリー。原作誕生のきっかけとなった人気ミュージシャンの斉藤和義が、物語のキーとなる劇中音楽と主題歌を手掛けたことでも話題を集めている。

「やっと皆さまにお届けできる日がやってきました!」と満面の笑みで挨拶した三浦。多部との共演は『君に届け』(10)と、2014年に放送されたテレビドラマ「僕のいた時間」につづいて3度目。「4年に1度なので、まるでオリンピックのような関係だよねって多部さんが仰っていました(笑)。20歳の時の映画も多分ここで舞台挨拶をしましたよね。それから8年、9年経ってまたこうして同じ場所に…。運命かなぁ」と感慨深げに語りかける三浦に、多部は「え!?ここで?全然記憶にないですね…」と目を丸くし、2人の温度差に会場からは爆笑が起こる。

そして三浦は今回の撮影を振り返り「20歳の時の自分と24歳の時の自分を知っている多部さんに、どういう風に良いお芝居と雰囲気を届けられるだろうかという緊張感がありました。でもそれって、悪い緊張感ではなく良い緊張感だったので、僕にとってすごく貴重な経験をさせていただいたと思います」と語る。それに対して多部も「今回は10年付き合ったカップルという設定だったので、安心感があって、いままで共演してきたことは無駄じゃなかったんだなと思う瞬間が撮影中にいっぱいあってうれしかったです」と語り、「次はまた4年後にご一緒できたらと思います」と微笑みかけていた。

一方で、原作者の伊坂からの推薦によって本作のメガホンをとった今泉監督は「キャストの方々とは、今回の作品で皆さん初めましてだったんですけど、恵まれたキャストでとても現場が楽しかったです」と振り返ると、「群像劇ならではのおもしろいことがありまして…」と、この舞台挨拶が始まる前の控室での出来事を明かす。「群像劇ゆえに現場で会ってない人たちがいるんです。今日初めてお会いして、役者さん同士が『初めまして』って挨拶しているのを横で見ていて、今日もひとつの出会いなんだなと思いました」とうれしそうに語った。

最後にキャストを代表してマイクをとった三浦は、会場に集まったファンへの感謝を述べると「奇跡とか運命って、きっと誰かが誰かを思いやることから始まっていくんじゃないかと思っています。この映画は、日常生活における思いやりの連鎖からはじまり、奇跡につながっていくエッセンスがたくさん詰まった作品です」と本作の魅力を語り、「観ていただいた後に、ご自身の日常にはこんなにも思いやりがあふれていたんだと気付いてもらえるきっかけをくれる、いまの日常生活をいま以上に誇れる映画になっていると思います!」と力強く呼びかけていた。

取材・文/久保田 和馬

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