新生児ロボット大活躍!『ジーン・ワルツ』初日挨拶で南果歩が「うちのロボが一番可愛い!」
最強の産婦人科医師が仕掛ける禁断の計画を描いた医療ミステリー『ジーン・ワルツ』が公開初日を迎え、出演の菅野美穂、田辺誠一、白石美帆、南果歩、桐谷美玲、片瀬那奈、音尾琢真、大谷健太郎監督、原作者の海堂尊が舞台挨拶を行った。
海堂尊のベストセラー小説を映画化した本作は、廃院寸前の産婦人科医院を舞台に、生命誕生の奇跡が描かれる。帝華大学病院の天才医師・曾根崎理恵(菅野美穂)が院長代理を務める小さな産婦人科医院、マリアクリニック。そのクリニックでは、禁断の治療が行われているという噂が立ち、帝華大学病院のエリート医師・清川吾郎(田辺誠一)は、マリアクリニックに隠された謎を探り始める。
産科医療に潜む闇に迫る天才医師を演じた菅野美穂は、「私もいつか母親になりたいと夢を見るような気持ちでいましたので、今回このような作品に参加できて幸運に思いました。産科医の先生方の大変さや、10ヶ月も赤ちゃんがお腹にいることの神秘などのシビアな面を知って、赤ちゃんに出会える、抱っこできる喜びを改めて感じ、改めて両親にありがとうという気持ちになりました」と、作品を通して感じた思いを語った。
また南果歩は、「先日、ある試写会で15歳の反抗期の少年がこの映画を見て、『命ってこんなに大変な思いをして生まれてくることを初めて知った』と言い、『ありがとう』と私とハグをしました。その少年は、15年前に帝王切開で産んだ私の息子です」と実の息子との温かなエピソードを披露した。
映画の舞台となるクリニックには、様々な事情を抱えた女性たちが訪れる。身ごもった胎児が無脳症だと判明した女性を演じた白石美帆は、「撮影に入る前から監督やスタッフさんと深く話し合いました。実際に問題を抱えている方々に失礼のないように演じました」とコメント。その夫役を演じた音尾琢真は、「出産というのは夫婦の強い絆が必要だと思いましたので、白石さんに『一回だけハグさせてください』とお願いして抱き締めさせてもらいました。すみませんでした!」と懺悔。白石は「あの時は暖かくなりました」と微笑んだ。
命の誕生を描いた本作では、もちろん新生児たちも登場する。撮影では、まるで本物のような質感を再現した新生児ロボットが使用された。長年の不妊治療の末にやっと妊娠した女性を演じた南果歩は、「ロボットだとわかっていても、そこに宿るものがある。ロボットに対しても『よく誕生してきてくれた』という感情が芽生えました。ロボットは何体かあったんですが、『やっぱりうちのロボットが一番可愛い!』と親馬鹿になってしまいました」と撮影現場を振り返った。
クリニックの疑惑の真相を探るエリート医師を演じた田辺誠一は、「実際に医療に携わっている先生方はプロフェッショナルな技術だけでなく、安心感を与えるというお仕事の大切さも知りました。この映画には色々な女性の生き方が出てくる。命がけで命を生み出す女性の姿に感銘を受けました」と男性から見た作品の感想を話した。原作者の海堂尊は、「美男美女で素晴らしい作品に仕上がった。原作者冥利に尽きる」とコメント。メガホンをとった大谷健太郎監督は、「ジーンは遺伝子。遺伝子のつながっている人どうしで見ると、より盛り上がって作品を楽しめると思います」と作品をアピールした。
産科や地方の医師不足といった現代医療が抱える問題に鋭く迫りながら、禁断の治療に挑む医師の姿を描いた本作。作品を通して、生命の神秘と命の尊さを改めて見つめ直してほしい。【取材・文/鈴木菜保美】