怒鳴る、チャラける、鼻血も流す!?…草なぎ剛の“クズ演技”がハマりすぎ!<写真12点>
持ち前の高い演技力を駆使し、女たらしな父親や情に厚いヤクザなど、これまで様々なクセの強い役柄を見事に演じてきた草なぎ剛。9月6日より公開中の主演最新作『台風家族』では、潔いほどのクズ役で存在感を発揮している。
『箱入り息子の恋』(13)の市井昌秀監督によるオリジナル脚本で、ある一家に巻き起こる遺産争いの騒動を描いた本作。とある老人夫婦が銀行を襲い、2000万円と共に失踪してから10年、その子どもたちはいまだ行方知らずの彼らの財産を分与するべく、形式的な葬儀を行っていた。長男の小鉄(草なぎ)、長女の麗奈(MEGUMI)、次男の京介が実家に集まってくるなか、なかなか姿を現さない末っ子の千尋(中村倫也)。そして見せかけの葬式が終わった頃に、見知らぬ訪問者が来て事態は思わぬ方向へと進んでいくことに…。
草なぎが演じるている一家の長男・小鉄は、仕事をしても長続きせず、様々な職を転々としているダメ人間。それゆえに家族の中でも人一倍、遺産に執着しており「預金や保険も一通り調べたけど、大した額じゃないから、遺産はこの家と土地だけだ」とそれっぽいことを言って周囲を丸め込んで、一番多くもらおうとするセコい男だ。
「どんな手を使っても遺産は全部俺がいただく」と宣言したり、周囲の反感に対して「うるせー黙れ!」と叫んだり、長男の立場を利用し偉そうな態度をとったと思えば、「クズで結構〜」とおどけて開き直って見せるなど、とことんムカつく男を草なぎは振り幅のある演技で体現。
さらに首にギブスを装着したルックスや、偉そうにした次の瞬間には千尋に顔面を殴られて鼻血を流すピエロっぷり。雨の中座り込んでなにかを考える姿など、情けなさを覚えさせるような演技がクズ役にぴったりとフィットしているのだ。
最近は映画を中心に俳優として精力的に活動している草なぎの、さすがの演技力を『台風家族』で感じ取ってみてはいかがだろうか。
文/トライワークス