宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみと小栗旬の濃厚ラブシーン…『人間失格』のR指定な魅力<写真15点>

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宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみと小栗旬の濃厚ラブシーン…『人間失格』のR指定な魅力<写真15点>

天才作家の太宰治が死の直前に完成させた傑作小説「人間失格」。その小説を凌駕するほどにドラマチックだった誕生秘話を映画化した『人間失格 太宰治と3人の女たち』が公開中。主演の小栗旬演じる太宰治が本作に登場する3人の女性たちに放つキザで甘すぎるセリフとラブシーンをまとめた本編映像から、本作の魅力を解き明かしていこう。

事実をもとにフィクションとして初めて「人間失格」の誕生秘話を映画化した本作は、太宰自身と彼を愛した3人の女たちの目線から描かれる物語となっている。身重の妻である美知子とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返す天才作家の太宰治は、その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。太宰は作家志望の静子がもつ文才に惚れこんで激しく愛し合い、同時に富栄という若い女にも救いを求めていく。ふたりの愛人に子どもがほしいと言われる日々のなか、それでも夫の才能を信じる美知子の叱咤によって、ついに自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかる。

監督は『Diner ダイナー』(19)などでメガホンを取った世界的写真家の蜷川実花が務め、主人公の太宰治役を「銀魂」シリーズの小栗旬が演じる。さらに太宰の正妻である美知子役に宮沢りえ、作家志望の愛人である静子役を沢尻エリカ、最後の女である富栄役には二階堂ふみと、それぞれの世代を代表する女優たちが出演する。また、太宰を取り巻く男性陣に成田凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也ら実力派俳優陣が集結。そして、蜷川組常連のスタッフに加え、脚本に『紙の月』(14)の早船歌江子、撮影に『万引き家族』(18)の近藤龍人、音楽には世界的巨匠の三宅純を迎えるなど、豪華制作陣が結集した。

到着した本編映像は、沢尻演じる愛人の静子が見せるまっすぐな好意に心を動かされた太宰が、静子の頬に手を添え、「一緒に堕ちよう」「死ぬ気で恋、する?」と口説くシーンから幕を開ける。その後、二階堂演じる富栄と太宰が花の影に隠れ、いきなりキスを奪おうとする様子が映しだされる。「ダメ」と富栄に一度は抵抗されるが、太宰は「大丈夫、君は僕が好きだよ」とささやき、再びキスを迫る。

数多くの女性を恋に堕としてきたモテ男の太宰が実際に富栄に言ったとされている口説き文句を、大幅な減量を行うなどして役作りに励んだ小栗が、甘く掠れた声で再現している。そんなキザな言葉をささやきく太宰だが、宮沢演じる正妻の美知子にだけは本当の自分をさらけ出す。布団に寝転がる太宰が幼い子どものように甘え切った姿で言葉なく美知子を呼び寄せるなど、打って変わって幼さをみせる太宰の姿は、母性本能をくすぐる魅力に満ちている。

「人間失格」誕生秘話を蜷川実花ならではの映像美によって鮮烈に描く本作。絶世のモテ男で天才作家だった太宰治、数々のラブシーンで濃密なエロスを体現する小栗の演技と、太宰の文才から生みだされる甘い言葉たちにぜひ注目してほしい。

文/編集部

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