立川志らくが『ドクター・スリープ』を大胆予想!「キング色が濃くなるのでは?」
ホラー小説界の大家であるスティーヴン・キングが2013年に発表した同名小説を原作とした『ドクター・スリープ』が11月29日(金)から日本公開されるのに先がける22日、ワーナー・ブラザース内幸町試写室にて、10月30日(水)に4K ULTRA HDが発売される『シャイニング 北米公開版』の特別試写会イベントが開催。「キネマ旬報」で映画コラムを20年以上執筆するなど無類の映画好きとして知られる落語家の立川志らくが上映前のトークイベントに登壇した。
巨匠スタンリー・キューブリック監督がメガホンをとり、名優ジャック・ニコルソンが主演を務めた『シャイニング』(80)は、冬のあいだ閉鎖されるオーバールック・ホテルに管理人としてやってきた親子が、狂気に取り憑かれていく様を描いたホラー映画の金字塔。その原作の続編を映画化した『ドクター・スリープ』では、壮絶な惨劇を生き延びた少年ダニーが大人になり、ある不可解な事件の謎を追ってふたたびオーバールック・ホテルにたどり着く姿が描きだされる。
「初めて『シャイニング』を観たのは高校生の時。ジャック・ニコルソンが観たくて、名画座の二本立てで観ました」と『シャイニング』との思い出を語る立川は「こけおどしがないところがすごいと思います。ヒッチコックのように『来るぞ、来るぞ』と観客を脅かすので、とても記憶に残るんですよね。品のある恐怖感です」とその魅力を熱弁。
偶然にもこのイベントの前日に72歳の誕生日を迎えたキングは、最近も『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(11月1日公開)が全米で大ヒットするなど、これまでに数多くの著作が映像化されている。「思い入れがあるのは『キャリー』や『ミスト』。『ミスト』は最初は嫌な話だと思ったけれど、とてもキングらしい救いのない終わりでしたね」と語り始める立川。
「キング原作映画の投票をしたらおそらく『ショーシャンクの空に』などが一番になるかもしれませんが、私は『ミザリー』みたいな作品が好きです。ホラーだけはなく『スタンド・バイ・ミー』のような感動作もありますが、もしかしたら、本当は感動ものを作りたい人なのではないか。いつかご本人に聞いてみたいですね」とキングへの愛情をのぞかせていた。
そして、いまだその全貌が明らかになっていない『ドクター・スリープ』については、「今度はキューブリック色よりもキング色が濃くなるのでは?」と予想した立川。これから『シャイニング 北米公開版』4K ULTRA HDを観る観客に向けては「若い人はビデオなどでしか観ていないかもしれませんが、大きいスクリーンではこけおどしではなく、上品であればあるほど記憶に残る恐怖になります。是非楽しんでください」と呼びかけた。
文/久保田 和馬