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【今週の☆☆☆】変態中学生の異色青春ムービー『惡の華』や実際に起きた無差別テロ事件を描いた『ホテル・ムンバイ』など週末観るならこの3本!

コラム

【今週の☆☆☆】変態中学生の異色青春ムービー『惡の華』や実際に起きた無差別テロ事件を描いた『ホテル・ムンバイ』など週末観るならこの3本!

Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今回は、9月27日から今週末の公開作品をピックアップ。インドで起きた無差別テロ事件を市民やテロリストの視点から描いた重厚なドラマや、ダークヒーローが主人公のアメコミ映画、中二男子の振り切ったフェチを描いた青春物語など、バラエティあふれる作品ばかり!

週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

勇気ある行動をとる市民たちに脱帽!インドで起きた無差別テロ事件を描く『ホテル・ムンバイ』(公開中)

テロリストの容赦ない攻撃…凄惨な事件でもお客を守る一流ホテルマンたち(『ホテル・ムンバイ』)
テロリストの容赦ない攻撃…凄惨な事件でもお客を守る一流ホテルマンたち(『ホテル・ムンバイ』)[c] 2018 HOTEL MUMBAI PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SOUTH AUSTRALIAN FILM CORPORATION, ADELAIDE FILM FESTIVAL AND SCREENWEST INC

2008年、インドのムンバイで実際に起きたテロ事件を再構築した体感型作品。ホテルというシチュエーション自体、大傑作『ホテル・ルワンダ』(04)を彷彿させずにはいられないが、どうして既視感も吹っ飛ぶほど、本作の臨場感もハンパない。5つ星の豪華ホテルに、銃を手にしたテロリストたちが侵入、無差別銃撃を開始する。給仕のアルジュンらは、各国からの宿泊客を救おうと奔走する――。アルジュンを『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』(16)のデヴ・パテルのほか、宿泊客にアーミー・ハマー、ジェイソン・アイザックスなど、豪華な脇役も技あり。親子や夫婦の愛、従業員の逃げるか残るかの選択、テロリストらの素顔など、ハラハラの合間に人間ドラマを挟み、多角的に魅せる!(映画ライター・折田千鶴子)

魔女から与えられた強大な力で悪魔の子が大暴れ!『ヘルボーイ』(公開中)

世界を救う?滅ぼす?異色のヒーローがスクリーンに返り咲く!(『ヘルボーイ』)
世界を救う?滅ぼす?異色のヒーローがスクリーンに返り咲く!(『ヘルボーイ』)[c]2019 HB PRODUCTIONS, INC.

アメコミ界の鬼才マイク・ミニョーラが描く人智を超えたオカルト的事件に挑むダークヒーローコミックス「ヘルボーイ」が、新たなアプローチで再映画化。超常現象調査防衛局(B.P.R.D.)にエージェントとして所属し、悪魔の力を駆使して戦うヘルボーイは、イギリスを荒らす巨人を退治する任務を受ける。しかし、その背後には1500年前に封印された、人間に深い恨みを持つ魔女の存在があった…。

ギレルモ・デル・トロが手掛けた前シリーズ以上に原作コミックスに忠実なストーリー展開で、中世ヨーロッパから引き継がれる幻想的な要素を現代の視点から解決する流れは、いわゆるヒーローコミックスを原作とした映画にはないアプローチだ。中世ヨーロッパに伝承された怪物たちの表現など、単なるクリーチャーものを超えた、西洋版妖怪退治とも言えるアクションになっており、オカルト好きな人でも楽しめる仕上がりとなっている。(映画ライター・石井誠)

伊藤健太郎が変態野郎に!?異色の青春ドラマ『惡の華』(公開中)

好きな女子のブルマをクンクン…伊藤健太郎が“ヤバめ”な男子中学生を好演!(『惡の華』)
好きな女子のブルマをクンクン…伊藤健太郎が“ヤバめ”な男子中学生を好演!(『惡の華』)[c]押見修造/講談社 ©2019映画『惡の華』製作委員会

「このクソムシが!」「全身皮かぶり野郎!」といった衝撃的な言葉が飛び交う『惡の華』。押見修造の同名コミックを完全実写化した本作は、心の奥底に隠している薄汚い“欲望”をクラスメイトの女子との最悪な契約によって剝がされていく中二男子の苦悩と成長を原作通りの壮絶なタッチで描いた異色の青春ムービーだ。

イケメンの伊藤健太郎が一切躊躇のない振り切った芝居で憧れの女の子のブルマの匂いを嗅いだり、彼女の体操服を着せられてもだえる主人公の変態野郎を怪演!玉城ティナが彼を辱めるドS女子にコミックそっくりのヴィジュアルでなりきり、撮影時15歳の新星・秋田汐梨が主人公が憧れる清純女子の中に宿る“毒”を、絶妙な瞳の変化でまんまと表現しているのも見逃せない。

そこには『片腕マシンガール』(07)、『ヌイグルマーZ』(13)などでこれまでも異端の主人公たちを愛情を込めて描いてきた奇才、井口昇監督の変態描写がリミッターを完全に外して全開!なのに、登場人物たちを気持ち悪いと思えないのは、彼らの言動の要所要所に誰もが隠している“自分の本当の顔”が見え隠れするからだろう。アニメ版と違い、トラウマを克服する主人公の高校時代を描いたのも功を奏してして、映画がより完成度の高いものに。井口昇監督の現時点での最高傑作だ。 (映画ライター・イソガイマサト)



週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/トライワークス

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