アカデミー賞を沸かせた14歳ヘイリー・スタインフェルドに胸キュン
『トゥルー・グリット』(3月18日公開)で第83回アカデミー賞助演女優賞候補になった14歳のヘイリー・スタインフェルドに会ってビックリ。常に仏頂面だった劇中のマティ役とは打って代わり、素顔の彼女は終始笑顔を絶やさない好感度大の美少女だったのだ。そこで才気あふれるヘイリーに、『トゥルー・グリット』の撮影秘話を聞いてみた。
スティーブン・スピルバーグ製作、コーエン兄弟監督の本作は、ジョン・ウェインがアカデミー賞主演男優賞に輝いた『勇気ある追跡』(69)のリメイク作品だ。殺された父親の復讐を誓った少女マティが、凄腕の連邦保安官コグバーン(ジェフ・ブリッジス)を雇い、途中で出会ったテキサスレンジャー、ラビーフ(マット・デイモン)と共に犯人を追跡していく。マティ役のヘイリーは、1万5000人の中から選ばれた。
アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、惜しくも受賞こそ逃したが、他の映画賞で助演女優賞や新人賞などを多数受賞した彼女。「びっくりしたわ。信じられない感じよ。でも、一番嬉しかったのは、この作品で素晴らしい俳優さんと共演し、この作品の一部として参加できたことね」と笑顔で答える。
ジェフ・ブリッジスやマット・デイモンと共演した感想を聞かれると「最初に出会った時からひと目で、彼らはプロフェッショナルだと思ったわ」と言う。「撮影時は、とっても楽しく仕事をするんだけど、一日が終わればそれぞれに大切な家族の元へ戻っていく。その姿勢自体が素晴らしいと思ったわ」。
その反面、ふたりのおちゃめな一面についても語ってくれた。「彼らはとても大きな子供みたいに仕事を楽しんでいたの。ふたりとも、これだけ長く俳優をやっていて、キャリアを確立していても、心から仕事を愛してるのが伝わってきて、周りの雰囲気も和んだわ」。
マティが、馬に乗って勇敢に川を渡るシーンは、彼女のハイライトシーンの1つだ。「あのシーンの撮影はとっても楽しかったわ。帽子を被って『さあ行くぞ!』って気になったし、川を渡り切ったところで、彼らのメンバーに加わり、一緒に旅に出る準備ができたってことになったから。でも、水がかなり冷たかったので苦労したわ」。
また、終盤で、ジェフ・ブリッジスがヘイリーを抱えて走るシーンも感動的だった。そのシーンの撮影については「ジェフはそんなに長く私を抱え続けることができないから、幾つかのシーケンスに分けて撮っていったの。途中にセリフのシーンを入れたりしてね。私の重み全てを彼に背負わせたりしないように工夫もなされたの」と語るヘイリー。
最後に、将来が嘱望されるヘイリーに、憧れの女優についても聞いてみた。「ダイアン・レインとジョディ・フォスターよ。ふたりは私の年、もしくはもっと若い頃からずっと女優をやっていて、しかも良い仕事をし続けている。私もそういう女優さんになりたいわ」。
ジョディも14歳83日でアカデミー賞助演女優賞候補となったが、ヘイリーはそれを上回る14歳と44日でノミネートされた。その後、ジョディは『告発の行方』(89)と『羊たちの沈黙』(91)で二度の主演女優賞に輝く大女優となったのは周知のとおり。ヘイリーも今後、どう演技派女優として開花していくのかが大いに注目される。【Movie Walker/山崎伸子】