『八日目の蝉』の井上真央、プレッシャーから撮影終了時は「ようやく解放されるんだ!」と嬉しさいっぱいに

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『八日目の蝉』の井上真央、プレッシャーから撮影終了時は「ようやく解放されるんだ!」と嬉しさいっぱいに

二人の女性の生き方を描いた直木賞作家・角田光代の同名小説を映画化した『八日目の蝉』(4月29日公開)の完成会見が2月28日、ウェスティンホテル東京で行われ、出演者の井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子と、原作者の角田光代と、成島出監督が出席した。

メガホンを取った成島監督は、本作について「原作を読ませていただいて、『どうしても自分がこれを映画にしたい』と思ったところから始まった」と製作開始へのいきさつを語った。自身初の長編サスペンスが映画化された原作者の角田は「映画の話って大抵、途中でなくなったりするので、今回も実現しないんじゃないかなと思っていた」と本音をもらし、映画を見て「映画は小説とは別のものだと思っているので、楽しみで仕方なかった。途中までは小説と比べて見ていたんですが、途中から小説のことなんてすっかり忘れてのめり込むように見て、泣きました。小説の持っているテーマを、この映画はもうひとまわり大きくして、“魂の解放”というようなことを扱った映画になったのではないか」と評価した。

主演を務めた井上は「この作品を愛している方が多いなかで、この恵理菜という重要な役をやらせていただくことに、すごく責任を感じていました。今の自分に何ができるのかと、自分と向き合うこと、恵理菜と向き合うことに苦戦していた日々でした。ここまで悩みながらもこの役と向き合えたことは、とても良い経験になりました。終わった時は、『ようやく解放されるんだ!』と正直思いました(笑)」とプレッシャーを感じていたことを明かした。愛人の赤ん坊を誘拐する役どころの永作は「ここまで罪を犯すという役をやらせていただいのが初めてで、その意味でもその心理的なものを探るのが大変だった。あふれてはいけない愛情をどこまで自分が持てば良いのか、その両サイドの幅悩んで、でも悩んでもわからなかった」と、苦悩があったようだ。

キャスティングの理由を成島監督は「直感だった」と明かし、オファー時を振り返り、原作ファンの森口は「『うそでしょー』という感じで、まさか大好きな原作の映画に関われるとは思っていなかったのと同時に、好きすぎてすごく心配になりました」と出演を喜んだ。

撮影を振り返り、出演者は口々に「難しかった」と言い、小池は「監督の求める要求も非常に高いものだったので、そこに自分がついていくのが必死で、振り返ってみても思い出せないくらい無我夢中に演じた。熱い指導、監督には感謝しています」と述べた。「どういう芝居をしたか精一杯で覚えていない」という永作は、今作が出産後初の仕事となった。母親になり、本作で母親役を演じ「本当に良かったなと思うのは、私が子供の役を多少なりとも知っていたこと。赤ちゃんとのシーンが多く、赤ちゃんの扱いがわからなかったら、今回の作品とは別ものになっていたような気がする」と心境を吐露した。井上との共演シーンが多い小池は「井上さん演じる恵理菜と共に、自分の過去に向き合いながらどう未来に進んでいくか、難しくて、どうやってふたりでこの壁を乗り越えていくかということで、井上さんに助けてもらいながら撮影ができた」と、井上の存在の大きさを話し、井上は小池との撮影に「(小池の)役に対して、お芝居に対しての姿勢が素晴らしかったので、私はそこに頼ってばかりだった」とコメントすると、小池は恐縮気味に。

また、本作の主題歌は中島美嘉の復帰後初となるシングル「Dear」が起用されており、永作は「中島美嘉さんのエンディングテーマにも泣かされて、作品の内容では表現できなかった言葉や感情が、この曲のなかでたくさん表現されている」と紹介した。【Movie Walker】

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