『犬鳴村』ワールドプレミアが平遥国際映画祭で開催!ジャ・ジャンクー監督と清水崇監督の意外な共通項とは?
現地時間の10日に世界遺産でもある中国・山西省の平遥古城で開幕した、中国映画界の巨匠、ジャ・ジャンクー監督が創設した第3回平遥国際映画祭。本日『犬鳴村』(2020年2月7日公開)のワールドプレミア上映が開催され、清水崇監督が記者会見や舞台挨拶に登壇した。
『呪怨』(03)のヒットでJホラーブームを巻き起こし、ハリウッドに渡って監督した『THE JUON 呪怨』(04)、『呪怨 パンデミック』(06)が相次いで全米初登場1位を記録した清水監督が、実在する心霊スポット“犬鳴村”を舞台に次々と起こる恐怖体験を描いた本作。
物語は臨床心理士の森田奏(三吉彩花)の周りで奇妙な出来事が続発するところから幕を開ける。奇妙なわらべ歌を歌いながら突然死した女性、行方不明になった兄弟、繰り返される不可解な変死…。それらの共通点は奏の地元でも有名な心霊スポット、犬鳴トンネルにあった。すべての真相を突き止めるため奏は犬鳴トンネルに向かうが、その先には決して踏み込んではいけない、驚がくの真相が待ち受けていた。
ワールドプレミア上映に先がけ昨日行われたレッドカーペットには、中国国内でも人気急上昇中の三吉が駆け付け、エレガントなドレスとヘアメイクで会場を魅了。沿道を埋め尽くしたファンから大きな歓声を浴びた。
本日のワールドプレミア上映には清水監督、企画プロデュースを務めた紀伊宗之プロデューサーが参加。前日の熱気を受けて行われた記者会見と、それに続くグループインタビューでは、中国全土から集まった若手記者たちが、「ホラー映画は単なる娯楽か?」「映画は現実社会を反映すべきか?」などと次々に熱心な質問をぶつけ、予定時間をオーバーしても止まない挙手に、清水監督自ら「質問し足りない方は、会場内で声をかけてください!」と提案するほどだった。
17時半からのレッドカーペットを経て20時半からスタートしたワールドプレミア上映の会場は、本映画祭で最大規模の会場でとの配慮で、屋外の超巨大スクリーンが用意された。10月の平遥は夜間になるとかなりの寒さだが、それをものともせずチケットは1500枚が完売し、ワールドプレミアを待ち望んだファンが会場を埋め尽くす盛況ぶり。
上映前に行われた舞台挨拶には、プレゼンターとしてジャンクー監督が参加。清水監督の名前を噛むというハプニングでジャンクー監督が笑いを誘えば、負けじと清水監督が「ジャンクー監督からご紹介していただけるとあって緊張していたのですが、身長が同じくらい(小柄)だったので、安心しました(笑)」と、意外な共通点を話し客席を沸かせる。紀伊プロデューサーの音頭で“自撮り”が行われるなど舞台挨拶は終始和やかな雰囲気で進行し、小さな悲鳴が絶えずいくつもあがった上映の後には、清水監督を称える万雷の拍手が巻き起こった。
第3回平遥国際映画祭は現地時間の10日~19日(水)まで平遥古城にて開催され、明日12日(土)にも『犬鳴村』の上映が行われ、清水監督のマスタークラスが予定されている。
取材・文/編集部