アカデミー賞で、重要なシーンがカットされたそのわけは?

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アカデミー賞で、重要なシーンがカットされたそのわけは?

昨年のアカデミー賞授賞式の1週間後といえば、『しあわせの隠れ場所』(10)で主演女優賞を受賞して幸せの絶頂を味わったサンドラ・ブロックが、急転直下、夫に浮気された話で持ちきりだった。現地時間の2月27日に開催された今年の授賞式といえば、残念ながら前年比で視聴率も低下し、史上最悪のショーに仲間入りしたとまで言われて後味の悪さをひきずったままだが、見どころの一つになっていたかもしれない“ある重要なシーン”が、米ABCテレビでオンエアされなかったことが、ちょっとした話題になっている。

そのシーンとは、脚色賞・脚本賞のプレゼンターとして『ノーカントリー』(07)の共演者であるジョシュ・ブローリンとハビエル・バルデムが、おそろいの白いタキシード姿で仲良く登壇したシーンで、AfterElton.comが、「ふたりは突然向かい合ってダンスを踊りキスをしましたが、丁度そのシーンのときにハビエルの新妻であるペネロペ・クルスのほうにカメラが向いてしまい、ブラウン管の向こうにいる視聴者はその様子を見ることができませんでした。2006年のアカデミー賞の授賞式では、作品賞にノミネートされた『ブローク・バックマウンテン』(05)のパロディで、司会者のジョン・スチュアートとジョージ・クルーニーがベッドをともにしているシーンがあったのに、なぜ今回このシーンがカットされたのでしょうか?」と、キスシーンの写真付きで報じている。

それについてプロデューサーのブルース・コーエンは、「意図的なものではないのです。ふたりのダンスやキスは脚本にはなかったもので即興なんです。もともとふたりが登壇したらペネロペにカメラを向ける予定だったので、その通りにしただけなんです」と、ハリウッド・レポーター紙に説明している。

授賞式に参加した同紙の記者の話では、「ダンスもキスも一瞬の出来事だった」そうで、ふたりにカメラを戻したときにはコトは済んでしまった後だったようだが、おとこ臭い新婚のハビエルとダイアン・レインの夫ジョシュがニコニコしながらキスするシーンは、少なくてもツイッターで大いに話題になったに違いないシーンで、視聴率にも貢献したかもしれないと思うとなんとも残念な話だ。【NY在住/JUNKO】

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