竹下景子が「男はつらいよ」登壇前に映画館で鑑賞!渥美清との思い出話にしみじみ

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竹下景子が「男はつらいよ」登壇前に映画館で鑑賞!渥美清との思い出話にしみじみ

第1作の公開から50年の節目の年を迎える今年、24年ぶりの最新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』(12月27日公開)が公開される国民的映画シリーズ「男はつらいよ」。現在東京・角川シネマ有楽町で開催されている「50周年記念『男はつらいよ』4Kデジタル修復版上映」で26日、第32作『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』(82)の上映が行われ、同作でマドンナを演じた竹下景子がトークショーに登壇した。

この日、少し早めに会場に着いたという竹下は「実は一番後ろでこっそりと作品を観させていただきました」と明かし「考えてみたら、映画館で拝見するのは封切り以来初めて。お客様がいろんなところでクスクスと笑ってくださったり、一斉に笑ったりするのが良いですね〜」と映画館で「男はつらいよ」を観る醍醐味を楽しげに語る。

そんな竹下は、この第32作『口笛を吹く寅次郎』以外にも、第38作の『男はつらいよ 知床慕情』(87)と第41作『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』(89)にも出演。それぞれの作品で異なる役柄のマドンナを演じているのだが、奇しくもそのうち2作品で結婚に失敗した女性を演じ、もう1作品では結婚をせずに海外で活躍するという役柄を演じている。当時“お嫁さんにしたい女優ナンバーワン”だった竹下は「なんででしょうね?」と首を傾げながら「配役のところが空欄のままお話ができて、竹下がいるからとキャスティングされたのが3回続いたのではないでしょうか」と語った。

そして初めてマドンナ役に抜擢された時の思い出を聞かれ「嘘だと思いました。これほどの名作にお呼びがかかるなんてと思い、お話をいただいてから神楽坂の旅館で山田監督に初めてお目にかかりました」と振り返る。「その時に、出戻りの娘だと聞きまして、なんとなくそんなイメージを先行させていたので、物悲しげな風情があった方がいいかと監督に訊ねました。すると『いいえ竹下さん、本で何行にも及んだ情景描写があるとします。それを一瞬で表現できるのが映画というものなんですよ』と。そのように最初から丁寧にお話をしてくださったので、安心して現場に行きましょうと思いました」と山田監督とのエピソードを明かした。

そして渥美清の印象について「皆さん仰っていると思いますが、とても物静かなたです」と明かし、「休憩のスペースでお話をしてくださることがありました。お若い頃にアフリカに行った時の思い出とか、そういったお話をされると本当に耳をそばだてたくなりました」と、その卓越した語り口に魅了されたことを懐かしそうに振り返る。「『お嬢さん、なにか不思議な話を知りませんか?』と訊かれても、なにもなくて…(笑)。すると渥美さんがおもむろに『ある夜に青い月がぎらりと光って…』とお話になり、すっと話に引き込まれてしまう。そういう方でしたね」と、しみじみとした表情を浮かべていた。

取材・文/久保田 和馬

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