【連載】「尾崎由香のぴゅあっとムービー」11月 今月の映画:『 IT/イット THE END ”それ”が見えたら、終わり。』
映画好きで知られる声優・尾崎由香が、鑑賞した映画や自身のあれこれについて語る「尾崎由香のぴゅあっとムービー」(「月刊シネコンウォーカー」&「月刊イオンエンターテイメントマガジン」連載中)。今月は、スティーヴン・キングの原作を元に殺人ピエロ・ペニーワイズの恐怖を描き、ホラー映画史上最高となる興行収入を叩き出す大ヒットとなった『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(17)の続編にして完結編『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(公開中)を取り上げる。
舞台となるのは前作から27年後。かつて“それ”の恐怖から生き延びたビルやベバリーらルーザーズ・クラブの面々はすっかり成長し、それぞれの人生を歩んでいた。しかし、田舎町デリーで、27年前と同じように再び連続児童失踪事件が発生し、「COME HOME COME HOME(帰っておいで……)」という不穏なメッセージが届く。かつて誓った約束を果たすため、ビルたちは町に戻るが…。前作に続きアンディ・ムスキエティ監督がメガホンをとり、ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チェステインら豪華キャストが集結した本作を、「ホラーは苦手」という尾崎さんはどのように観たのか?
ホラーを観た日の夜は、部屋の電気を消せなくなります…。
前作は映画館で観たんですが、怖いだけじゃなくて、少年たちの成長や友情のドラマがあったり、笑えるところもあったりして好きだったので、続編を楽しみにしてたんです。
今回、2時間49分の大作ですが、ペニーワイズがいつ出てくるんだろう?ってずっと身構えていたので、個人的にはあまり長さを感じませんでしたね。一番怖かったのは遊園地のミラーハウスのシーン。もう(ミラーハウスには)一生入れないかも…(笑)。
前作で印象的だった「超怖い」「怖い」「全然怖くない」の扉がまた出てくるシーンは笑えましたし、驚かされておもしろかった。全体的に、観ている時はすごく怖いんですけど、ちゃんといろいろなことが解決してくれるので、観終えてすっきりするんですよ。
ホラーって普通、観終えても怖さが続くような気がするから、寝る時に電気を全部消せなくなることもあって…。でも、この作品に関してはそれがなかった。珍しいなって思いましたね。
劇中でルーザーズ・クラブの面々がそれぞれ抱える恐怖に立ち向かうのを見て、「わたしにとっての恐怖ってなんだろう?」ってずっと考えていたんですが、たぶん”ハト”かなって。実は子どもの時からハトが集団でいるのが苦手で…夢でも現実でも、迫られたらたぶん、泣いちゃいます(笑)。
●尾崎由香プロフィール
おざきゆか◎1993年生まれ、東京都出身。15年より声優活動を開始し、17年にテレビアニメ「けものフレンズ」のサーバル役に抜擢され注目を集める。18年には「LET’S GO JUMP☆」でソロデビューを果たし、今年8月に1stソロアルバム「MIXED」をリリースするなどアーティストとしても活躍中。
Twitter/@ozaki_yuka515 Instagram/ozapure15
取材・文/編集部