『管制塔』の橋本愛「自分の思い全部をぶつけるシーンを見てほしいです」

インタビュー

『管制塔』の橋本愛「自分の思い全部をぶつけるシーンを見てほしいです」

三木孝浩監督ならではの透明感ある映像に仕上がった『管制塔』が4月9日(土)より公開を迎える。本作は、中学生の男女が出会い、心を通わせていく様を描き出す青春ストーリーだ。山崎賢人と橋本愛という期待の若手を主演に迎え、稚内で全編ロケが行われた。今回、『告白』(10)で注目を集めた橋本愛にインタビュー。主人公の瑞穂役のことや、芸能界入りしたきっかけなど、色々と話を聞いた。

――お母さんが遊び心でオーディションに応募されたのがこの世界に入ったきっかけだそうですが、応募される前に話はあったのですか?

「ありました。特に芸能界に強い思い入れがあったわけではなかったのですが、母から話をされて、受けてみようかなと思いました」

――見事オーディションに受かったわけですが、その時の気持ちはいかがでしたか?

「まず、『何で私が?』と思ってしまいました。まさか受かるとは思っていなかったので」

――実際に芸能界に入ってみて、芸能界に入る前に抱いていたイメージと違って驚いたことや何か感じだことはありましたか?

「監督やスタッフさんが違うと、現場によって本当に色々と違うんだなあと思いました」

――映画だけでなく、テレビドラマにも挑戦したいというお話がありましたが

「この世界の全部を知りたいという思いがすごくありますね。例えば、空港にいたとすると、“この扉の奥はどうなってるんだろう?”とか“飛行機の操縦席はどうなってるんだろう?”とか、そういう日常的なことも含めて、全部を知りたいという気持ちがあるんです。だから、映画だけでなくドラマや連続テレビドラマなど、色々なことに挑戦して、経験してみたいと思ってます。もともと好奇心も強い方なので(笑)」

――等身大のラブストーリーを演じてみたいというお話もありましたが、こんな展開のラブストーリーを演じてみたいというのはありますか?

「結構ベタな感じの、見ていてキュンキュンするような作品がやりたいですね。少女漫画で言ったら『ストロボ・エッジ』とか、映画化されましたけど『君に届け』みたいなラブストーリーをやってみたいです」

――『告白』の出演が転機になったとおっしゃっていましたが、撮影中に何か大きな心境の変化があったのですか?

「撮影中というよりも、撮影をした後に改めてそう感じましたね」

――中島監督は演出が厳しいとうかがっていますが、現場ではいかがでした?

「私自身は、監督に対して特に怖いとか厳しいというような印象はありませんでした。それに表には出さないですが、監督は優しい方で、そういったものも伝わってきましたし」

――では今回の三木監督の現場はいかがでしたか?

「三木監督の現場はすごく柔らかい感じです。のほほんとしたというか、とても温かい現場でした。監督はもちろんなのですが、スタッフさんも含め、現場全体がそういう温かい感じでしたね」

――今回の撮影を通して一番印象的だったことは何でしたか?

「山崎賢人くんがクランクアップしたシーンが、自転車で私とふたり乗りをするシーンなんですけど、本来であれば、カメラマンさんを乗せた車を走らせて、自転車に乗るシーンを撮るんですが、エンジン音が聞こえるとダメなので、エンジンをつけずにスタッフ全員で車を押しながらそのシーンを撮影したんです。お互いのタイミングを考えたり、自転車を車のスピードに合わせたりだとか、現場全体で協力して撮影したのが、とても印象に残っています」

――初めて北海道の稚内に行ったそうですが、いかがでしたか? また完成した映画を最初に見た時はどう感じましたか?

「稚内はとても綺麗な場所でした。そして、その景色がまた映像にすごく表れていて綺麗なんです。最初に映画を見た時は、やはり自分の演技にばかり目が行ってしまいましたが、物語はもちろん、そういう景色も映画の魅力だと思います」

――これから映画を見る方々には特にどのシーンを見てほしいですか?

「私としては、瑞穂が駈に対して自分の思い全部をぶつけるシーンを見てほしいですね。後は日常的なふたりの自然なやりとりをはじめ、父親と苦楽を共にする瑞穂の家庭の切ない雰囲気と、それと対照的な駈の家族の温かさなども是非感じてほしいです」

――今回、山崎賢人さん演じる駈の父親役に利重剛さん、母親役に松田美由紀さんが出演されていますが、おふたりとは現場で話をしましたか?

「利重さんとはあまりお話する機会はありませんでしたが、松田さんとたくさん色々なお話をさせていただきました。なので、一緒に演技をさせていただいていても、とてもやりやすかったです」

――今回撮影をするうえで、橋本さんがアドリブを入れたり、台本と変えたところなどはありましたか?

「いくつかありましたね。駈と自転車でふたり乗りするシーンなど、私からもいくつか提案させていただいて、監督も積極的にそれを採用してくれました」

――今後は女優業を中心に頑張っていきたいということですが、普段の生活の中で演技に活かしていることなどはありますか?

「最近はすごく自然に、日常の中でそういったことを考えるようになっていますが、実際に演技に活かせたことはまだ一度もないです(笑)」

――これまで映画に何本か出演されていますが、映画でお芝居をする魅力は何だと思いますか?

「ドラマはまだ体験をしたことがないからわかりませんが、CMとかと比べると1つの作品を長時間で作り上げていくので、じっくり向き合えるところが魅力ですね」

――最後にこの作品をどんな方々に見てほしいですか?

「男女問わず、幅広い年齢層の方々に楽しんでいただける作品だと思いますので、是非たくさんの方々に見ていただきたいです」

本作を皮切りに、『アバター』(4月30日公開)では主演の阿武隈川道子を演じ、さらに『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』(5月14日公開)では青い肌のヨシコを演じるなど、今後の活躍からますます目が離せない。橋本愛、15歳。将来が楽しみな女優がまた一人誕生した。【Movie Walker】

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