『黄色い星の子供たち』主演のメラニー・ロランの祖父は、アウシュヴィッツに強制送還されていた
1942年当時のヴィジー政権下、フランス政府によるユダヤ人一斉検挙、ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件を、初めて収容所の内側にいる子供の視点から描いた『黄色い星の子供たち』(夏公開予定)。主演を務めるメラニー・ロランの祖父は、過去にアウシュヴィッツに強制送還されており、本作のテーマとの密接な関係があったことがわかった。
メラニーは現在、初の長編監督作『Les Adoptes』を準備中だ。そして歌手として初アルバムを発表するなど、活躍の幅をどんどん広げている。また、2011年のカンヌ国際映画祭では、開幕式と授賞式の司会を務めることが決まっており、フランスを代表する女優としてめざましい活躍を見せている。
本作のテーマと密接な関係があったため出演を決意した彼女は、監督から主演の赤十字社で働く看護師のアネット・モノー役のオファーを受けた際、脚本を読み終わった直後に監督に電話をかけたが、泣き崩れてしまい何も話せなったという。メラニーはよく憑依型女優であると言われるが、彼女は本作の撮影を、「今まで体験したことのないほど感情にあふれた撮影でした」と振り返っている。
感受性豊かなメラニーは撮影中、全身に帯状疱疹が出てしまう。服用した薬が強すぎたために痙攣を起こし、監督に「中止しましょう」と言われたにもかかわらず、彼女はそれを拒否した。化粧をしない、真実味のある、疲れている役を好むメラニーにとって、一番望む役柄であったと言えよう。全ての登場人物と、全てのエピソードが真実の物語と言われる本作は、今夏公開予定だ。【Movie Walker】
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