『カツベン!』成田凌&黒島結菜&周防正行監督に聞く撮影秘話!“高良健吾タンコブ事件”の真相とは?
とうとう公開が迫ってきた周防正行監督の最新作『カツベン!』(12月13日公開)。いま話題の俳優、成田凌や黒島結菜だけではなく、永瀬正敏や高良健吾、音尾琢真、竹中直人、井上真央など豪華俳優陣が笑いあり、涙ありで繰り広げる、極上のエンタテイメントだ。
大正時代末の全盛期には、8000人近くの活動弁士が活躍していた。私達は音付きの映画しか知らない世代となったが、本作は「無声映画」時代の魅力をギュッと詰め込んでおり、歴史を知るだけでなく、温かみを感じる邦画の魅力と、映画が好きだという気持ちが溢れでるような作品に仕上がっている。
今回は主演の成田と黒島、周防監督に撮影時の裏話を直撃取材!高良健吾がタンコブをつくってしまった真相とは?隠された“ラブレター”のような台詞とは。見る前に知っておくとおもしろい、とっておきの裏話をお届けする。
成田「撮影に入る半年前から活弁の練習をしたのですが、最初のうちは指導をしてくださった活動弁士の方に“もっと濃くして!”と言われても、どうすればいいのかわからなくて大変でした。でも、練習したものが身になるとすごく楽しくなりました」
黒島「私は俊太郎と一緒に活弁をするシーンが好きです。活弁の台詞がお互いの気持ちを言い合うようになっていましたからね」
成田「あの撮影は恥ずかしかったな~(笑)。自分の気持ちを普通に伝えるように活弁をやっていたので」
周防「僕は、ここが俊太郎と梅子の一番のラブシーンだと思いながら撮っていたので楽しかったです。台本に込められた思いがよくわかったし、こういう形のラブシーンを撮れるのはいいなと思いました」
成田「茂木のところにいた梅子と鉢合わせするシーンでもドキッとしましたね。そのあと逃げる方向が逆になった彼女に手を引っ張られる時のパワーバランスも好きです」
周防「成田くんのほうが実年齢は上だけど、若いころは女の子のほうがイニシアチブを取るからね」
黒島「私はただもう必死に逃げようとしていただけですけど(笑)」
成田「あと茂木との“箪笥の引き出しバトル”も印象に残っています」
黒島「成田さんも高良さんも身体を張ってやっていましたよね(笑)」
周防「あの撮影では気を付けていたけれど、高良さんのおでこに引き出しが何度も当たって、こぶができちゃって、申し訳なかった…」
成田「引き出しが飛び出てくるのがわかっていて、でも見ていなきゃいけないから本当に怖かった(笑)」
黒島「私は、とある場所に梅子が閉じ込められている時、目の前に蜘蛛が降りてくるシーンが印象に残っています。口を大きく開いて、目もグッと寄せて“ギャー!”って絶叫しましたから」
周防「あのシーンは、“ギャー!”って叫んだ時にのどちんこが見える、漫画のようなイメージでいました」
成田「僕はそのあと梅子に思いっきり引っ叩かれるんですが、"痛い"っていうセリフなのに、思わず“いっ”としか言えなかった…」
周防「本気で叩いてるものね(笑)」
黒島「思いっきり叩いたけど(笑)、そのあとの展開はステキでしたね」
周防「チャップリンの映画のラストシーンのイメージで、ふたりが上映中の映画のなかに入ってしまうというねらいでやりました。注目していただきたいシーンですね」
演者も監督も終始楽しみながら撮影した本作。作り手の思いが一層込められた本作を観れば、さらに映画が好きになる事間違いなし。邦画の魅力、豪華出演者たちのてんやわんやのやり取りを是非劇場でご覧あれ!
取材・文=イソガイマサト【シネコンウォーカー編集部】